戦国時代のクリスマス再現 厳かに南蛮行列 南島原

 約400年前にキリシタン文化が花開いた長崎県南島原市北有馬町で1日、冬の祭り「フェスティビタス ナタリス」があり、戦国時代のクリスマスに行われた「南蛮行列」を市民ら約120人が再現した。

 イベント名はラテン語で「クリスマスの祭り」の意味で、22回目。実行委(長尾泰博会長)主催、長崎新聞社など後援。日野江城跡(国指定史跡)のある同町で1580年、城下に日本初の神学校「セミナリオ」が設立。天正遣欧少年使節の4人も1期生として学んだ。クリスマスなどに城主でキリシタン大名の有馬晴信や宣教師、セミナリオ生徒らが練り歩いたという。

 この日の夕方、着物や南蛮服姿の住民、子ども、外国語指導助手(ALT)らがセミナリオ跡を出発。たいまつの火や聖歌隊の合唱とともに会場の市立有馬小まで約1キロを歩き、一足早いクリスマスムードを演出した。

 会場では、同使節の平成版として10月にイタリアなどを訪れた地元中学生による朗読劇仕立ての報告や、文献を基に当時の肉料理を再現した「南蛮料理」の試食、農産物販売、和太鼓演奏などもあった。

約400年前の南蛮行列を再現する中学生ら=南島原市北有馬町

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