学童・防災手引書、非常時連絡体制 12市町村条例なし 識者「行政が支援を」

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 琉球新報と沖縄県学童保育連絡協議会が行った学童保育(放課後児童クラブ)の防災対策に関するアンケートによると、国が定めることが望ましいとしている「防災マニュアルの作成」「非常時の連絡体制の整備」のいずれも条例で定めていない市町村が、学童がある27市町村のうち12市町村だったことが分かった。条例にない防災対策の実施は学童に一任されている。学童の現場からは「マニュアルの作り方が分からない」「内容が正しいか不安」などの声が上がっており、識者は「行政は実施主体として学童に積極的に関わる必要がある」と指摘している。 アンケートは学童がある県内27市町村にファクスを送り、全市町村から回答を得た。法的に義務付けられている「防災訓練」「消防訓練」の両方を条例で定めている市町村は学童がある27市町村のうち26市町村だった。大宜味村だけが「消防訓練」を条例に定めていない。国が制定の義務化または望ましいとしている「防災訓練」「消防訓練」「マニュアル作成」「連絡体制の整備」の全てを条例で定めているのは8市村にとどまった。

 条例に含んでいない理由について市町村は「国の示す基準を深く読み取れていなかった」「学童に任せている」とする。防災対策について学童側任せになっている現状が浮かび上がった形だ。

 一方で、名護市はマニュアルの作成を義務付けている。名護市は各学童のマニュアルの基準を統一するため、市でひながたを作成し、学童の運営者が地域の実情に合わせて避難場所などを書き込めるマニュアルを提供している。学童に対する市町村の関わりにもばらつきが見られた。

 学童の防災に課題があると回答したのは11市町村で、「マニュアルの作成を義務付けているが内容の確認が行えていない」「防災のプロでないため具体的な助言ができなくて困っている」などと行政の担当者も対応に苦慮していることが分かった。

 NPO法人沖縄学童・保育連絡協議会の垣花道朗理事は「市町村は協力機関に事業を委託するなどして、現場の声を拾いながら支援体制を整備する必要がある」と指摘した。

 (関口琴乃、新垣梨沙)