サンタが島にやって来た 長崎・五島の奈留島

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産になっている長崎県五島市の奈留島で2日、江上天主堂(国指定重要文化財)の保全を目的としたチャリティーイベント「サンタラン」(実行委主催)があり、サンタクロースに仮装した市民らが島内を練り歩いた。
 江上天主堂は1918年建築で、構成資産「奈留島の江上集落」内にある。サンタランは2015年から毎年開催し4回目。今年は島内外の家族連れやグループなど、過去最多の197人が参加した。年齢に応じて500~2千円の参加費を払っており、過去3年間で保全費用として教会側に寄付した総額は約46万円に上る。
 コースは島南部の奈留港ターミナルから、北西部にある江上天主堂までの7・7キロ。参加者は、自前か実行委が用意したサンタの衣装を身に着け、歩いたり走ったりして思い思いのペースでゴールを目指した。コース途中では、住民がこいのぼりを掲げて盛り上げたり、休憩所を設けたりしてサポートした。
 実行委員長の城田正宏さん(43)は「年々参加者が増え、定着してきている。サンタランを通じて江上天主堂の歴史や価値を伝えるのはもちろん、奈留島全体を盛り上げていきたい」と語った。

スタート前、サンタクロースの格好で集合写真に納まる参加者ら=五島市奈留町
奈留港ターミナルを一斉にスタートし、江上天主堂を目指す参加者=五島市奈留町

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