「現実の充実で解放」 ネット依存症、医師が講演 長崎

 「思春期・青年期こころの健康づくり講演会」が2日、長崎歴史文化博物館(長崎市立山1丁目)であり、精神科医で松元リカバリークリニック(長崎市勝山町)の松元志朗院長が、ネット依存など若者がなりやすい依存症について講演した。
 松元院長はネット依存により発生する問題として、運動不足、引きこもり、人間関係の悪化などを挙げ、心身両面に幅広い影響を及ぼすと指摘。依存者は「話したい」「必要とされたい」などの欲求を抱えており、「現実世界における人間関係の充実が依存症からの解放につながる」と話した。
 依存症はアルコールやギャンブルなど併発することが多いと説明。依存症から脱するには、自己肯定感の醸成など根本的な生き方の問題に取り組まなければならないと語った。
 若者のメンタルヘルス対策を促そうと長崎市が主催。市民約100人が参加した。

ネット依存について講演する松元院長=長崎歴史文化博物館

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