「19年の鉄鋼業界見通しは安定的」、ムーディーズがレポート

 格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、鉄鋼業界を含む日本の事業会社セクターの2019年アウトルック(見通し)と、アジア鉄鋼業界の2019年アウトルックをまとめたレポートを発行した。日本の鉄鋼業界の2019年見通しは「安定的」とした上で「今後の着実な投資回収の実現が信用力のカギになる」と指摘した。

 ムーディーズは、日本鉄鋼業界の関する主なポイントとして(1)国内・輸出市場双方での堅調な需給環境を背景に、日本の鉄鋼メーカーの収益性は概ね安定して推移する(2)一方、貿易摩擦の激化は、今後のリスク要因として注視する必要がある(3)日本の鉄鋼メーカーは設備投資額を拡大させてきており、今後の着実な投資回収の実現が信用力のカギとなる―との見通しを示した。

 また、アジアの鉄鋼業界については「2019年の見通しは安定的で、鉄鋼メーカーは概ね安定的な収益性を維持する」との見方を示した。

 主なポイントとしては(1)中国での鋼材需要成長は鈍化が見込まれ、アジアの鉄鋼メーカーのトン当たりEBITDAも若干の落ち込みが予想される(2)一方で中国における能力削減や環境規制強化、また東南アジア・南アジアでの堅調な鋼材需要が、鉄鋼メーカーの収益性を下支えするだろう―と指摘している。

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