DOWAメタルテック、2子会社の生産体制強化 銅合金条、高機能・薄物需要に対応

 大手伸銅品メーカーDOWAメタルテック(本社・東京都千代田区、社長・菅原章氏)は板条製品の主力2製造子会社で生産体制を強化する。車載向けを中心とするDOWAメタルでは2020年度までの3年間で高機能な銅合金条の生産能力を2割拡大。自動車技術の進化に対応する。半導体・電子機器向けが主力のDOWAメタニクスは長さベースで能力を3割増やし、薄く高強度な材料でモバイル機器などの小型・高密度化に貢献する。

 DOWAメタルテックでは2020年度までの中期3カ年計画で自動車・IoT分野を注力市場として高付加価値な製品群に注力。2製造子会社の増強は市場の変化に応え技術が求められる製品を増産するとともに、納期対応力強化へ供給量の上方弾力性を確保することが狙い。能力は設備投資に加え生産改善や増員で強化する。

 車載向けでは電動車普及や安全運転支援システムの搭載拡大を見据え、銅に微量元素を添加し性能を高める銅合金条の生産をDOWAメタル(静岡県磐田市)で強化する。電子機器向けではモバイル機器やデジタル家電などの高性能・高密度化に貢献する薄物の材料を増産。DOWAメタニクス(同)で熱処理炉を増強しており今後はさらなる投資を進める。

 DOWAメタルテックでは増産投資と併せてモノづくり力の強化や海外拠点の増強に取り組み、20年度には17年度比で約2割増となる90億円の経常利益を確保する。

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