横浜に〝巨大コース〟出現 氷上レースで最速競う

 街中に設置された高低差やカーブのある氷の特設コースを一斉に滑り降りるレース「レッドブル・クラッシュドアイス」が7、8の両日、臨港パーク(横浜市西区)で開かれる。同イベントは「大都市に巨大コースを設営し実施する」とのコンセプトがあり、50回目の記念大会の開催地としてミナト横浜に白羽の矢が立った。夜間にライトアップした氷上を国内外トップクラスの選手が最高速度時速80キロで駆け抜け、世界最速を競う。

 国内初の開催。臨港パーク内に全長約350メートル、スタートとゴールの高低差約22メートルのコースが設置される。市市民局スポーツ振興課によると、主催する実行委員会が夜景のきれいな横浜港のロケーションを気に入ったことで選定された。

 同大会はアイスホッケーとダウンヒルスキー、スノーボードクロスの要素を取り入れた「アイスクロス・ダウンヒル」と呼ばれる競技の世界選手権にあたる。1レース4人で行われ、ヘアピンカーブや連続バンプ、段差などの障害物が設置されたコースを駆け抜ける。

 2001年に初めて開催し、10年から世界選手権となり、これまで49大会が開かれている。将来的には冬季五輪の正式種目採用も目指しているという。

 現在までドイツのミュンヘンやスウェーデンのストックホルム、ロシアのモスクワなど世界有数の都市で開かれてきた。それぞれの街中にコースを設置し、街と一体となることで大勢の観客に楽しんでもらえてきたという。

 これまでは寒冷地で開催されてきたが、昨年1月には温暖な気候のフランス・マルセイユでも大会を成功させた。コースにホースを設置して中に冷気を流す一方、上から幾重にも水をスプレーで吹き付ける「冷却システム」と呼ばれる技術の向上が功を奏したという。

 国内からは、北海道の山本純子選手や、「Xゲーム」で優勝経験のあるいずれも兵庫県の安床エイト選手、安床武士選手らの参戦を予定。予選から決勝まで約40レースが予定されている。

 大会の担当者は「インターネット上でレースの様子は見たことがあるかもしれないが、ぜひ実際のレースを見てほしい。スポーツ好きな人だけでなく、地元の子どもからお年寄りまで楽しんでいただけたら」と話している。

 チケットの問い合わせは、キョードー東京電話0570(550)799。

設営中のコース(左上がスタート地点)=臨港パーク

© 株式会社神奈川新聞社