HTB「3年後上場」 来月にも中国資本受け入れ

 ハウステンボス(長崎県佐世保市、HTB)の澤田秀雄社長は3日の決算会見で、中国の投資会社「復星集団」から、最大24・9%の出資を受け入れる方針を明らかにした。中国からの集客で連携を図る。親会社の旅行大手、エイチ・アイ・エス(HIS)が引き続き筆頭株主となる方針。復星集団から役員を受け入れ、3年後に東証一部への株式上場を目指すことも表明した。

 出資を受け入れる理由について、澤田社長は「成長が鈍り始めた中で、大きな変化が必要だった」と説明。売却額は非公表。早ければ来年1月にも受け入れる。

 ハウステンボスの株式は現在、親会社のHISが66・7%、残りの33・3%を九州電力や九電工、西部ガスなどの5社が保有する。計画では、各社が持つ株式の一部を売却。HISが50・1%、企業5社が25・0%、復星集団が24・9%の出資比率となるよう調整を進めているという。

 復星集団の協力を得て、中国からの観光客を年間20万人呼び込むことを目指している。HTBの外国人来場者数は約18万人(台湾、韓国など含む)で全体の6%程度にとどまっており、てこ入れを図る。

 上場に向け、復星集団から少なくとも役員1人を受け入れ、人材面で組織強化を図る。社内にはすでに「上場準備室」を設置した。

 澤田社長は、復星集団が日本でも開発を手掛けている点に触れ「非常に力を持ったグループだ。新しい力によって、よりHTBを発展させたい」と強調。上場について「将来に向けた資金調達も必要で、上場を考えている。株主が増えることはHTBのファン、入場者も増やせるのではないだろうか」と語った。

中国の投資会社の出資を受け入れ、「3年後の上場を目指す」と表明した澤田社長=佐世保市、ハウステンボス

© 株式会社長崎新聞社