三菱マテリアルと三菱伸銅、アルミハーネス用めっき開発 亜鉛・錫で腐食大幅抑制

 三菱マテリアルは3日、子会社の三菱伸銅と共同でアルミワイヤハーネスに使用する防食めっき技術を開発したと発表した。接点部分の材料として使われる三菱伸銅の銅系条製品に施すめっき。亜鉛と錫を積層して、錫めっき表面に亜鉛を拡散させた構造で、ハーネスのコネクタ端子とアルミ電線を接続する部分の腐食を大幅に抑制できる。アルミワイヤハーネスの普及による自動車の軽量化に貢献する。

 アルミを導体に使用したワイヤハーネスは、銅合金製のコネクタ端子とアルミ電線の接続部で、金属が持つ電位差の違いによるガルバニック腐食の発生を抑えることが課題になっている。

 両社はアルミに近い電位を持つ亜鉛を、銅系条製品でできた端子で一般的な錫めっきの表面に拡散。腐食の原因となるアルミ電線と端子表面の電位差を縮小することで耐食性を向上させた。電気的な接続信頼性については従来の錫めっきと同等となっている。

 開発は三菱マテリアルがめっきに関する基礎技術を、三菱伸銅がめっきを施す基材の提供や量産技術などをそれぞれ担当した。今後早期のサンプル出荷を目指す方針。新めっき技術は今月5日から東京ビッグサイトで開幕する高機能金属展に出展する。

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