元オリ大島氏や元燕阿井氏も参加「日本野球科学研究会」で発表の「66」の研究

12月1日、日本野球科学研究会第6回大会が行われた【写真:広尾晃】

元プロ選手から指導者、研究者が野球を深く掘り下げる

 12月1日から筑波大学を会場に開催されている日本野球科学研究会大会では、シンポジウムやワークショップに加えて、一般研究発表も行われる。第6回を迎える今回は、さまざまなテーマで「66」もの研究が、ポスター発表という形で行われた。発表者の中には、近鉄、オリックス、楽天で活躍した大島公一氏や、日本ハム前ヘッドコーチの阿井英二郎氏といった面々も。会場では、参加者に対して、研究者が熱意を込めてポスターの説明をする姿が見られた。

 下記が今回発表された66の研究テーマだ。

P-1
高校野球における環境づくりについての事例報告
相馬幸樹(中央学院高等学校)

P-2
競技力向上に関わるメンタルメンタルトレーニングを用いた実践的研究
-新たに導入したプロ野球チームの事例1-
田口耕二(大阪教育大学大学院)

P-3
大学女子野球選手における投球時の肩外旋運動の特徴
-大学男子野球選手との比較-
太田憲一郎(至学館大学女子硬式野球部)

P-4
野球グローブ史と小林運動具
中田賢一(新潟医療福祉大学大学院)

P-5
野球観戦時のファウルボールにおけるRiskManagementについての調査
恩田哲也(東海大学)

P-6
バックハンド捕球の有効性に関する基礎的研究
-送球パフォーマンスに着目して-
小倉圭(滋賀大学)

P-7
大学硬式野球部における外傷・障害調査
-発生要因の特定と発生数減少に向けての一考察-
上野空(新潟医療福祉大学理学療法学科)

P-8
中学軟式野球における地区上位チームと下位チームの差異に関する研究
梅野侑(高岡市立中田中学校)

P-9
認知課題と打撃課題の組み合わせからシーズン打率を予測する
那須大毅(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)

P-10
中学硬式野球強豪チームのレギュラー選手の心理的競技能力
加藤貴英(豊田工業高等専門学校)

実戦的なノックを行うための内野ゴロのバウンド数に関する研究も

P-11
科学的トレーニングによる中学生の身体能力の開発
-香川県藤井中学校野球部の部員の身長増に向けた取り組み-
志村幸紀(学校法人藤井学園)

P-12
FDG-PETによる投球時の身骨格筋活動の検索
-大学野球選手とプロ野球選手の比較-
高田泰史(金沢大学大学院)

P-13
イップス(投球失調)と暴投はどう違う
-投球失調をどう防ぐか-
久保田真広(株式会社カロ)

P-14
内野ゴロのバウンド数について
-実戦的なノックを行うために-
小野寺和也(仙台大学)

P-15
視覚障がい者のためのブラインド・ベースボールとは
小野雄平(筑波大学大学院)

P-16
野球の打球飛距離に関連するスイングパラメーターについての研究
佐々木勇哉(福岡教育大学)

P-17
新潟県における野球競技人口拡大に向けた取り組み
-南魚沼市での野球教室を例に-
安野颯人(新潟医療福祉大学)

P-18
大学野球選手と高校野球選手のスイング軌道に関する一考察
-東都リーグ1部選手と県大会初戦敗退高校選手との比較-
吉澤恒星(香川高等専門学校高松キャンパス)

P-19
野球競技人口減少に関する福井県高校野球指導者の認識についての一考察
見延慎也(筑波大学大学院)

P-20
痺れにくい打撃部範囲の定量化に基づく硬式金属バットの設計手法に関する研究
岸本健(株式会社アシックス スポーツ工学研究所)

P-21
高校野球大会での実戦における投球・打撃の縦断的分析・調査研究
-県医科学サポート、強化対策委員会の活動-
安谷佳浩(富山県立南砺福野高等学校)

P-22
少年野球選手の投球障害と電子ゲーム実施時の姿勢について
原素木(松戸整形外科クリニック)

P-23
投球動作時における投球腕各関節の協調関係
木村新(東京大学大学院総合文化研究科)

P-24
盗塁技能による注視位置および反応時間の違いについての研究
宮下寛太(筑波大学大学院)

P-25
野球の投球時のリリース変数と到達位置の関係
草深あやね(東京大学)

P-26
自律訓練法・イメージトレーニングを用いたSMTの事例的研究
-送球の改善を目的とした野手について-
松崎拓也(北九州工業高等専門学校)

P-27
一般市民を対象とした投球スピードの計測
-科学系のイベントでの事例報告-
大室康平(八戸工業大学)

P-28
少年野球選手の走塁における状況判断能力向上のための教材の開発
加藤勇太(筑波大学大学院)

P-29
大学野球選手における打撃中の地面反力とスイングの関係
川村幸平(神戸大学)

P-30
心理的セルフモニタリングシステムが野球の投球パフォーマンスに与える影響
阿井英二郎(筑波大学大学院)

大島氏は「一流プロ野球打者の打撃動作の特徴に関する研究」を発表

P-31
野球のピッチング動作の類型化の基準と比較
宮西智久(仙台大学)

P-32
高校野球部員における学校生活スキルと心理的競技能力との関連
中嶋清之(静岡県立伊東高等学校)

P-33
台湾と日本の大学野球投手における投球動作に関するキネマティクス的比較
邱彦イ(びわこ成蹊スポーツ大学大学院)

P-34
着装シミュレーションを用いた野球ユニフォームのパターン評価
-投球動作時の引きつれに着目して-
草野拳(株式会社アシックス)

P-35
高校野球の攻撃戦法に関する研究
-無死1、2塁に着目して-
大阪航平(筑波大学大学院)

P-36
フライボール理論はソフトボールにおいても有効か
大田穂(株式会社日立製作所日立ソフトボール部)

P-37
女子ソフトボールトップ選手に対するスポーツ動作画像を用いた新たな瞬間視測定法の試み
岩間圭祐(筑波大学大学院)

P-38
表情や姿勢および言動とパフォーマンスとの関係性について
森下祐樹(米子東高校)

P-39
ゴロを打ては正しいのか
福島康太(米子東高校)

P-40
一流プロ野球打者の打撃動作の特徴に関する研究
-NPB公式試合から-
大島公一(筑波大学大学院)

P-41
女子野球指導者の性別による特性のちがい
-女子硬式野球指導者および選手への調査から-
石田京子(筑波大学大学院)

P-42
野球を通じた国際開発への試み
-コスタリカ共和国S野球協会の野球競技力に焦点を当てて-
藤谷雄平(鹿屋体育大学院)

P-43
野球途上国への支援活動
-青年海外協力隊の事例として-
黒田次郎(近畿大学)

P-44
バックネット裏からの映像を用いた投球フォーム自動評価
野原直翔(筑波大学大学院システム情報工学科)

P-45
野球発展途上国イタリアの現状に関する調査
-聞き取り調査と質問紙調査を用いて-
篠原果寿(筑波大学大学院)

P-46
投手のピッチング動作における共通性
-プロ野球の1軍投手および2・3軍投手との比較検討-
波戸謙太(筑波大学大学院)

P-47
新旧軟式ボールの比較研究
-弾み方に着目して-
宮内貴圭(筑波大学大学院)

P-48
野球打撃動作における腰部回旋挙動解析
田口直樹(法政大学、筑波大学大学院)

P-49
一流プロ野球選手の打撃動作の動作解析
-肩・腰の回転に着目して-
橋本康志(筑波大学大学院)

P-50
ジュニアユース期の野球選手への育成診断システムの活用と
トレーニングとしての多様な運動体験の有効性
-中学野球選手を例として-
石元志知(神戸市立大原中学校)

「投手はどこを狙って投げるべきか?」という研究発表も

P-51
肩甲骨周囲筋群エクササイズの検討
-マルアライメントに着目して-
飯田勝彦(船橋整形外科市川クリニック)

P-52
試合映像から見る野球捕手の二塁送球時間と盗塁阻止
-捕手ごとの特徴を踏まえて-
鈴木智晴(鹿屋体育大学大学院)

P-53
投手が腕を振ることの意味
-トラッキングシステムを活かした投手コーチングの実践-
林卓史(朝日大学、慶應義塾大学政策・メディア研究科 後期博士課程)

P-54
打撃時におけるバットと新軟式ボールの力学的挙動に関する研究
北山裕教(株式会社アシックススポーツ工学研究所)

P-55
若手プロ野球選手における1年後の打撃動作の変容
-成績向上者の特徴-
工藤大二郎(筑波大学大学院)

P-56
マウンドの材質の違いが投球パフォーマンスに与える影響
川村卓(筑波大学)

P-57
プロ野球選手における速球に対する打撃能力が高い打者のキネマティクス的特徴
佐治大志(筑波大学大学院)

P-58
野球の投球における筋シナジー分析
三木豪(東京大学大学院)

P-59
投球コースの違いによるボールスピンの変化
森本崚太(株式会社ネクストベース)

P-60
トラッキングシステムを用いた打球の類型化とその特徴
-世代別に見た打球の違い-
佐藤伸之(鹿屋体育大学大学院)

P-61
部活動における社会人基礎力の向上を目指したアプローチ
-中学野球部を対象として-
中山正剛(別府大学短期大学部)

P-62
投手はどこを狙って投げるべきか?
-コース別の被長打率を考慮にいれたシミュレーション-
進矢正宏(広島大学大学院総合科学研究科)

P-63
女子硬式野球大会における緊急時対応計画の作成と活用へ向けた取り組み
清水伸子(国際武道大学)

P-64
ウェアラブルスマートシャツを用いた野球の真剣勝負中の心拍変動計測
小林裕央(東京大学)

P-65
投球に必要な肩甲骨トレーニングの一例
-高校・大学野球選手を対象として-
堀内賢(千葉・柏リハビリテーション学院)

P-66
高機能マットレスは高負荷キャンプ中のアスリートの起床時眠気を改善する
馬見塚尚孝(西別府病院スポーツ医学センター)(広尾晃 / Koh Hiroo)

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