復興支援に感謝 豪雨被災地に職員派遣 広島・熊野町長が三重県知事訪問

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 平成30年7月豪雨で12人が犠牲となった広島県熊野町の三村裕史町長が4日、三重県庁を訪れ、復興に向けた職員の派遣について、鈴木英敬知事らに礼を述べた。三村町長は復興や防災に向けた整備が進んでいるとしつつ、被災者に対する「心のケア」が課題になっていると説明。災害の教訓として、自主避難組織が立ち上がっていることも紹介した。

 同町では7月豪雨の土石流で多数の家屋が流されるなどし、12人が死亡、11人が重軽傷を負った。全壊26棟を含む72の家屋が損壊。66棟が床上・床下浸水の被害に見舞われた。

 県は被災した自治体に特定の自治体を割り当てる「カウンターパート方式」に基づき、同町に特化して支援。7月10日から8月29日まで、災害廃棄物の処理に詳しい職員や保健師ら38人を派遣した。

 このほか、県内の市町からは106人の職員が派遣されたほか、災害直後は108人が緊急消防援助隊として現地での作業に当たった。現在も鈴鹿市と伊勢市が年末までの予定で計3人を派遣している。

 この日、三村町長や宗條勲総務部長ら4人が県庁を訪問。三村町長は「三重県内からは多くの職員を派遣してもらい、本当に助かった」と礼を述べ、同町の名産で知られる熊野筆を鈴木知事に手渡した。

 一方で「ワイヤネットを設置するなどして10月に全世帯の避難を解除したが、心のケアや住宅の再建など課題が残る」と指摘。復興には2年、3年とかかるだろう。これからも頑張りたい」と述べた。

 また、災害の経験を踏まえて自主避難組織が町内の各地で立ち上がっていると紹介。「防災は行政だけではどうにもならない。住民には何よりも早く逃げることを優先するよう呼び掛けている」と語った。

 鈴木知事は「紀伊半島大水害などで得た知見を生かせればとの思いで派遣した。職員からは、町長のリーダーシップや町職員のチームワークが勉強になったと聞いた。これからも交流を続けたい」と語った。

【鈴木知事(手前)に災害支援への礼を述べる三村町長=三重県庁で】