日ハム上沢、東京五輪「出たい」 獲りたいタイトルは…即答「最優秀防御率」

契約更改に臨んだ日本ハム・上沢直之【写真:石川加奈子】

4600万円増の7000万円でサイン、日米野球出場で「意識が変わった」

 日本ハムの上沢直之投手が4日、札幌の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2400万円から4600万円増の7000万円でサインした(金額は推定)。

 2016年3月の右肘手術を乗り越えて大躍進した。今季はローテーションの柱として25試合に登板。チームの日本人でただ1人規定投球回に達し、チーム最多の11勝を挙げ、防御率はリーグ3位の3.16と好成績を残した。球団からはカード初戦で相手エースと投げ合ったことと4完投を高く評価された。

 エースへの階段を上がることが期待される来季は、背番号と同じ15勝を目標に掲げる。さらに「競争で勝ち取りたい」と開幕投手を目指すと同時にタイトル獲得も視野に入れる。

 一番獲りたいタイトルについて問われると「最優秀防御率です」と即答。「先発ピッチャーとして毎試合いいパフォーマンスで投げられたという指針になると思うので。点を取られないのは大事なスキル。そこは目指してやっていきたいです」と続けた。

 タイトルを獲得するには、シーズンを通して安定した投球をすることが必要だ。今季は7月までに10勝したものの、後半失速した。疲労のため尻周りに力が入らない状態に陥り、下半身の踏ん張りが効かず、小手先の投球になってしまったことが原因だった。

 同じ失敗は繰り返さない。「ケアの仕方が大事かなと思いました。疲れを感じる前にマッサージだったり、コンディショニングの仕方だったり、体に手を入れる必要がある。疲れを感じた頃にはもう手遅れ。シーズン中のトレーニングの量をどうコントロールするかが大事だと思います」と後半戦を乗り切るイメージはできている。

 先発の柱としてチームを引っ張り、自身まだ体験していないリーグ優勝と日本一になることが大目標。来季はそこにもう1つのモチベーションが加わる。「東京でやるオリンピックは、僕が野球選手でいる間にはもうないと思うので、出たいなという気持ちがあります。そのためにも来年大事」と2020年東京五輪出場を意識している。

 今年10月に侍ジャパンの一員として日米野球に出場して、東京五輪への意識が芽生えた。「違った緊張感で投げさせてもらったのはいい経験になりましたし、僕の中で少し意識が変わったかなと思います」と言う。日本ハムのエース、そして日本のエースへ。24歳右腕の大きな挑戦は始まったばかりだ。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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