SMBC日興証券、鉄鋼セクターの業種格付けが「中立」から「弱気」に下げ

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 SMBC日興証券は鉄鋼セクターの業種格付けを「中立」から「弱気」に引き下げた。これまで世界的な景気拡大に加えて、中国で地条鋼の淘汰と環境対応の減産が行われたことで、長期間にわたってスプレッドは高水準で推移したが、同社では事業環境が変化したと判断した。

 同社が悪化要因に挙げているのは(1)景気減速(2)中国で鉄スクラップを使用した増産が行われている(3)輸入制限を行う米国で生産能力増強の動きが見られ、鋼材の貿易フローが変化している(4)アジアでも設備増強が相次いでいる―など。今後のメタルスプレッドについて「ピークアウトしており、レンジを切り下げていくだろう」とみている。

 鋼材市況については「短期的には、季節性で鋼材の国際市況は反発すると思われる」としながらも「中国で環境対応減産が解除される3月下旬以降の需給が不透明」と言及。再び供給過剰の芽が見え始めたと指摘している。そうした状況が上方に振れるアップサイドリスクとしては「中国が強力な景気刺激策を打ち出すか、再び設備削減を強化すること」。ダウンサイドリスクは、「米中貿易摩擦のエスカレートと、それに続く金融市場の混乱」とみている。

 同社は鉄鋼セクター内では「選好順位の上位は電炉」としている。「景気減速の初期局面では、材料の鉄スクラップ市況が製品価格に先行して下落するケースが多い。足元では形鋼、厚板を中心に鋼材需給は良好であり、直ちに値下がりする状況ではない」ことを、その理由に挙げている。ただ、鉄スクラップ市況は春先に上昇する季節性があり、鉄スクラップ価格の値下がりが続くと、鋼材価格も下落圧力が高まる点に注意すべきとしている。