JAL、機内でタイの貧困解決につながるコーヒー提供

ドイトゥンコーヒー農園の様子

日本航空は、タイの山岳地域における貧困問題解決につながる「ドイトゥンコーヒー」をJALバンコク線で、12月1日から提供している。ドイトゥンコーヒーは、タイNGOが1988年から行うアヘン栽培のための畑をコーヒー畑に転作するプロジェクトの一環で作られたものだ。同社はドイトゥンコーヒーを機内サービスに採用することでプロジェクトを支援する。(辻陽一郎)

ドイトゥンは、「黄金の三角地帯」とも呼ばれるかつてアヘン栽培の大生産地だったエリアに位置する地域だ。貧困により生計を立てるためにはアヘンの栽培に頼らざるを得ない状況となっていた。

この貧困問題と麻薬撲滅に取り組んできたのが、タイNGO のメーファールアン財団の「ドイトゥン開発プロジェクト」だ。プロジェクトを通じて雇用も生まれ、アヘンの生産に頼らずに生活できるようになった。2003年には、国連薬物犯罪事務所(UNODC)から「麻薬撲滅に世界で最も成功した事例の一つ」と認定を受けたという。

日本航空の担当者は、「SDGsが世の中でもテーマとなっている今、ドイトゥンコーヒーはコーヒー農家を特定できるなどトレーサビリティが徹底されており、麻薬撲滅の成功事例として認定されていることも知り、お客さまにもサステナブルなコーヒーを味わって頂きたいという想いから、採用に至った」と話した。

ドイトゥンコーヒーは、日本発着のバンコク線のビジネス・プレミアムエコノミー・エコノミーの各クラスで提供される。同社はバンコク線以外では、国際的な非営利環境保護団体のレインフォレスト・アライアンス認証の豆なども使用し、サステナブルなコーヒーを提供している。

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