【MLB】ジーター氏、マーリンズ再建へヒスパニック層に訴求強化 スペイン語勉強中

マーリンズのデレク・ジーターCEO【写真:Getty Images】

イメージ一新へ球団ロゴも変更

 昨オフからマーリンズの最高経営責任者(CEO)をつとめている元ヤンキースのスーパースター、デレク・ジーター氏が、このたびNBC系列のスペイン語放送局「テレムンド」の番組「ラティンクス・ナウ」に出演した。

 就任と同時に、主砲ジャンカルロ・スタントン、ブルワーズで今季ナ・リーグMVPに輝いたクリスチャン・イエリッチら主力を軒並み放出する「ファイアーセール」を断行し、今オフはついに本拠地マーリンズ・パークに設置された巨大オブジェを撤去するなど、次々と施策を進めてきたジーター氏。この1年、取り組んできた改革について「求められているもの、そしてそうではないもの。そのまま残しておきたいもの、これから変えていきたいもの。それらに関する周囲(ファン)の声に耳を傾けながらこの1年を過ごしました」と語った。

 ファイアーセールによるチーム再建は、必ずしもファンの支持は得られていない。マーリンズは2018年シーズン、63勝98敗でナ・リーグ東地区最下位。観客動員もホーム81試合で81万1104人とMLB30球団の最下位に沈み、2004年、ワシントン移転前年のモントリオール・エクスポズ以来となる観客動員100万人未満を記録した。1試合平均では約1万14人で、これは、大学野球の名門、ルイジアナ州立大(LSU)のホームゲームにおける1試合あたりの平均観客動員1万786人より少ないという惨状だ。

 ジーター氏は、「彼ら(ファン)は、我々が歩んだプロセスの一部として関わってきました。そのことを理解していなかった状況も、時にはありましたが」と施策がファンの支持を得られていない現状を認めつつも、「我々は集めたあらゆる情報とマイアミに関して学んだことをまとめ上げ、新たなロゴを作り上げたのです。我々はとてもワクワクしています」と話し、新しいチームとして生まれ変わるため、黒、青、赤を基調とした新しい球団ロゴ(11月16日に発表済み)を作ったことを説明した。

米国人とヒスパニックが交流できるよう教育を強化

 メキシコ湾、大西洋をはさんでキューバやバハマに近く、ヒスパニック系の人口が20%以上を占める土地柄のフロリダ。ジーター氏は、フロリダに根を下ろすため、現在スペイン語を勉強中だということを明らかにした。

「球団を引き継いだ時に伝えたことですが、ラテンアメリカやヒスパニックの選手がアメリカに渡ってくる時、彼らは英語が話せるものだと誰もが想定してしまうのです」と、米国人のヒスパニックに対する認識不足を指摘したジーター氏。「ラテンアメリカの選手たちが英語を学べるようにすることと、英語圏の選手たちがスペイン語を学べるようにしたいと考えています。少し時間をくれれば、次回はスペイン語で話しましょう」と、ヒスパニック層とのコミュニケーションを積極的にとっていく方針を強調。ちなみに、好きなスペイン語は「バター」を意味する「マンテキージャ」だという。

 私生活では、妻でモデルのハンナ・デービスさんが、2人目の子供を妊娠中。「その日が良い日でも悪い日でも、子供が駆け寄ってきて、笑顔を見せてくれれば、心が温かくなります。明るくて元気な小さい娘がいて、もう1人生まれてくることはとても誇らしいことです」と、ジーター氏は家族が増えることを心待ちにしていた。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2