壱岐に住みたい人集まれ! シェアハウスオープン 

 長崎県壱岐市への移住希望者の受け入れや観光客と市民の交流の場にと、シェアハウス「YADORI(やどり)」がこのほど、石田町にオープンした。国境離島新法に基づく雇用機会拡充事業を活用し、約2年前に廃業した民宿(木造2階建て)を改装した。代表の松尾啓子さん(49)は「移住希望者が最初に家を探すのは大変。最初の拠点として使ってもらい、じっくり家や仕事を探す手伝いができれば」と話す。
 2階には5~9畳の6部屋があり、移住希望者が「一度住んでみたい」と思ったときに初期費用を抑えられるよう、テレビやエアコン、寝具を完備。1階には共用のリビングダイニングのほか、一般客も利用できる座敷の飲食スペース、カウンターなどを備え、交流しやすい空間にした。
 また、島民と触れ合うことができるきっかけづくりとして、地元民が教える流木アートや近くの民宿の料理人が指導するすし握り体験など七つの体験プログラムも用意。これからも種類を増やしていくという。
 屋号の「YADORI」には「みんなが集い、人々が宿る場所」にという願いを込めた。近くの砂浜をイメージした旗も制作し、シェアハウスのシンボルになっている。毎月の家賃は2万4千~3万2千円。
 松尾さんは「一人ではここまでできなかった。周りの人のおかげ。近くにはきれいな砂浜がたくさんあるので、地域の人や近くの民宿と一緒になって地元を盛り上げていきたい」と語った。

オープンしたシェアハウス「YADORI」と松尾さん=壱岐市

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