高エネ研 クライオ顕微鏡を公開 タンパク質の構造解析

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導入されたクライオ電子顕微鏡=つくば市大穂

高エネルギー加速器研究機構(つくば市)は5日、10月に稼働開始したタンパク質などの生体分子の三次元構造を原子レベルで解析でき、創薬研究への期待が大きい「クライオ電子顕微鏡」の報道向け見学会を開いた。タンパク質を急速凍結させた上で、電子顕微鏡を使って立体構造の解析を行う研究の流れなどが公開された。

クライオ電子顕微鏡は、生体分子を急速に凍結させ、低温のまま顕微鏡で解析するもの。染色や固定をせずに高分解能で解析できるのが特徴。2017年には、この顕微鏡実用化の功績で欧米の3氏にノーベル化学賞が与えられている。国内では最上位機種が東京大、大阪大などに5台ある。

同機構物質構造科学研究所によると、同顕微鏡は稼働から約2カ月間で、延べ約30件のユーザーによる利用があったという。同研究所構造生物研究センターの千田俊哉センター長は「日本はクライオ電子顕微鏡の導入で世界に後れを取っている。使える台数、使える人材をもっと増やしていくことが必要」と話した。(三次豪)