暖かい師走

 師走だというのに、ここ数日の暖かさはどうだろう。昼間は外を少し歩いただけで背中がじわりと汗ばんでくるほどだった▲小春日和というには暖かすぎる。おとといは大村市で24・9度に達するなど県内各地で12月の最高気温を更新。西日本では25度以上の夏日を記録した地点も多かった。きのうも南島原市で11月上旬並みの19・7度を記録した▲通りがかった民家の庭先では、夏の花オシロイバナやサルビアがまだ咲いていた。初夏に咲くサツキの花も1カ所ならず見かけたが、これは狂い咲きだろう。冬の花ツバキも開花しており、季節の異なるはずの花と次々巡り合う▲2階の窓から身を乗り出して、せっせとガラス拭きをしている人がいた。窓を全開にして水仕事をしても寒さや冷たさを感じないほどの気候は、大掃除には好適。年越しの準備にはやや早いものの、作業ははかどったことだろう▲衣料品店には冬物のコートやダウンジャケットが並んでいるが、まだ手を伸ばす人は少なそう。季節相応の寒さが訪れてくれないと、商売あがったりの店も多いはずだ▲しかし、この暖かさはそろそろ終わり。今週末は一転、コートが必要なほどの冷え込みが予想されている。なかなか気配を見せなかった今年の冬将軍は、速足でやって来て私たちを震え上がらせそうだ。(泉)

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