住友金属鉱山と住友商事、チリ銅鉱山の権益30%を加社から総額1340億円で取得 年産24万トン、21年生産開始

 住友金属鉱山と住友商事は5日、カナダの資源企業テック・リソーシズ社が保有するケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ第I州、QB銅鉱山)の権益30%を取得すると発表した。権益取得額は8億米ドル(約900億円)で、同鉱山の硫化鉱プロジェクト(QBフェーズ2プロジェクト、QB2)の建設工事費用の一部として4億米ドル(約440億円)を2019年中に支払う。21年に生産を開始する予定で、マインライフ約28年。平均年間生産量(銅量)約24万トンを見込む。

 テック社保有の権益90%のうち30%を住友2社(住友金属鉱山25%、住友商事5%)が取得する。

 取得完了は、必要な許認可の取得を前提として19年4月までを予定。残り10%の権益についてはチリ国営ENAMIが保有している。

 QB2の投資予定額は約47億米ドル(約5200億円)。投資額の一部をプロジェクト・ファイナンスで賄い、残りをテック社と住友2社で負担する。

 また、QB2の鉱石処理量が当初の日量14万3千トンから同15万4千トンの増産を達成した場合は5千万ドル(約55億円)をテック社に追加で支払う。

 引取権は出資比率見合いをベースに、今後のプロジェクト・ファイナンスによる日本側の貢献を踏まえて決定するが、年間8万~9万トン(銅量)の銅精鉱が日本に輸入される見込み。

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