新日鉄住金の連結子会社で、造船向け厚板加工や船舶ロンジ材、ブロック製作などを行うサカコー(資本金・3億円、本社・香川県坂出市、社長・越智明氏)が今年8月会社創立50周年を迎え、11月末に関係者を招いて記念式典を実施した。
越智社長は「50年間歩んでこられたのは、お客様や取引先、株主、構内で働いてきた先輩・仲間たちの強いご支援のおかげ。幾度逆境になろうとも、しっかりした仕事で成果を出し、今につながってきた」と振り返る。
51年前の1967年、川崎重工業坂出造船所のスタート時に、当時の八幡製鉄(現新日鉄住金)が土地を確保し鋼材の中継作業を開始。翌68年8月16日付で『坂出鋼板加工』が造船用鋼材の物流・加工基地として発足した。90年に社名を「サカコー」に改称。
本社・坂出工場と丸亀工場(香川県丸亀市)の2工場体制で、フレームプレーナー切断機、NCプラズマ切断機、鋼板ショット、形鋼ショットなど加工設備と、造船用ロンジ材組立ラインやブロック製造設備を保有するとともに、鋼材中継基地として坂出工場は岸壁に35トン・ジブクレーン(荷役能力・月4万トン)、丸亀工場も岸壁に200トン・クローラークレーン(同7千トン)を保有して新日鉄住金の厚板など鋼材中継を行っている。売上高は前期(18年3月期)で79億円。人員は社員約150人と協力会社200人の陣容。
「当初の20年間は厳しい経済環境・事業環境の連続で、まさに地獄を見る日々もあったが、業容を変化させながら関東から九州に至るまで多くのお客様方に鋼材の中継輸送、塗装、切断、ブロック組立て、ビルトアップロンジ製造を行い、現在の『サカコー』に至るまで生き抜いてきた」と越智社長。
90年にビルトアップロンジのライン生産を開始。07年には丸亀工場を立ち上げた。ロンジ生産を主力としつつ、LNG船のタンクカバーやメガコンテナ船の特殊なブロック製造。土木分野では岸壁工事用NS-BOXや桟橋用構造物の水中ストラットの製造などさまざまな仕事にチャレンジしてきた。
「日本全体がオリンピックに向けて景気・物価上昇の方向だが、造船業界は世界的な需給ギャップのもとで不公平な条件下での国際競争にさらされている。そうした状況でも『サカコーに頼みたい。サカコーなら安心だ』と思っていただける集団になり、今後もお客様、株主、地域の皆様に必要とされる存在であり続けたい。何よりもまず安全・健康を最優先に、嫌なことを真っ先に報告できる集団、その報告に『よくぞ言ってくれた』と言える上司がいる職場。こうしたことを一つ一つ積み上げていきたい」。
半世紀を超え、次代に向けてより強い会社を目指していく。