神戸製鋼所、放熱部材「ベーパチャンバー」用の銅板条を拡販

 神戸製鋼所は放熱部材「ベーパチャンバー」向けの市場で銅板条の拡販に注力している。ベーパチャンバーはエッチング加工で溝を切った銅の板を拡散接合で張り合わせて製造。製品の薄型化に貢献することなどから今後モバイル機器などで伸びが見込まれている。材料には高い接合性や熱処理後の強度、熱伝導率が要求される。同社ではリードフレーム用に開発したスーパーKFCやKLF170などの銅合金板条を供給して成長市場を捕捉する。

 同社の銅板条事業ではベーパチャンバー向けに2014年から材料を納入。有力なモバイル端末メーカー用などでも実績を有する。スーパーKFCやKLF170は高温熱処理後の強度や、拡散接合による接合強度に強みがあり、優れた材料特性から薄肉化やハンドリング性の向上に貢献できる。

 放熱関連の分野は自動車用コネクタ材、半導体用リードフレーム材に次ぐ銅板条事業の新たな柱として期待している。

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