4年連続V逸の巨人が行った戦力整理…16選手を放出、5選手が引退

巨人は今オフ総勢16選手に動き

今季は67勝71敗5分の3位に終わり、高橋由伸監督は辞任

 2014年以来、4年振りのセ・リーグ制覇を目指した2018年の巨人。だが、終わってみれば、67勝71敗5分の借金4に終わり、広島の3連覇を阻むことはできなかった。かろうじて3位には食い込み、クライマックスシリーズには駒を進めたものの、ファイナルステージでは1勝もできずに広島の前に敗退。3年間で一度もリーグ優勝を果たせなかった高橋由伸監督は辞任に追い込まれ、来季からは原辰徳新監督の下で再スタートを切る。

 その来季に向けて巨人は積極的な補強を続けている。FAでは広島の丸佳浩外野手と西武の炭谷銀仁朗捕手のW獲りに成功。さらにはオリックスを自由契約となった中島宏之内野手の加入も決まり、新助っ人としてパドレスで今季20本塁打をビヤヌエバも補強。さらにはマリナーズを退団した岩隈久志投手まで加入が決まった。

 その一方でオフに行われた戦力整理は、かなりドラスティックなものになった。杉内俊哉投手、西村健太朗投手、山口鉄也投手と長らく巨人を支えてきたベテランが一度に3人も引退。さらに脇谷亮太内野手や寺内崇幸内野手らが戦力外となって引退を決め、橋本到外野手はトレードで楽天へ。アルキメデス・カミネロ投手、ケーシー・マギー内野手、そして膝の手術を受けた上原浩治投手が自由契約となった。

 支配下だけで13選手、育成も合わせれば16選手が放出(與那原は育成で再契約)されることとなった巨人。それでは、今季、引退や戦力外によって退団が決まった選手たちの実績などを振り返ってみよう。

○杉内俊哉投手(現役引退)
 鹿児島実から三菱重工長崎を経て、2001年のドラフト3位でダイエーに入団。2005年には最多勝や沢村賞、MVPに輝き、10年間で6度の2桁勝利を達成して2011年オフにFAで巨人へ。移籍1年目で12勝をあげるなど3年連続2桁勝利をマークしたが、2015年途中に股関節痛を訴え、オフには手術を受けた。この時の怪我が最後まで回復せず、今季限りで現役を引退した。通算316試合142勝77敗0セーブ0ホールド、防御率2.95。

○西村健太朗投手(現役引退)
 2003年のドラフト2位で広陵高から入団。高卒1年目から3試合に登板すると、3年目には先発、中継ぎ双方で31試合に登板。2007年には勝利の方程式の一角として57試合に登板。その後右肩痛などもあり一時、登板数を減らしたが、2012年に69試合に投げて復活。2013年には守護神として71試合で42セーブを挙げ最多セーブのタイトルも獲得した。通算470試合38勝34敗81セーブ77ホールド、防御率3.12。

○山口鉄也投手(現役引退)
 元祖・育成出身といえば、この山口鉄だった。横浜商高から米マイナーなどを経て、2005年の育成トラフト1巡目で入団。2年目で支配下を勝ち取ると、32試合に登板し、3年目からは勝利の方程式の一角に組み込まれた。2008年に11勝をマーク。プロ野球記録となる9年連続60試合超に登板した。2009、2012、2013年の最優秀中継ぎ投手。今季は左肩の故障などもあり支配下昇格後初の1軍登板なしに終わり、現役引退を決断した。通算642試合52勝27敗29セーブ273ホールド、防御率2.34。

戦力外となった廖任磊は西武、中井はDeNAヘ入団

○寺内崇幸内野手(戦力外→現役引退)
 栃木工からJR東日本を経て2006年の大学生・社会人ドラフト6位で入団。通算670試合818打数178安打5本塁打39打点、打率.218。俊足と守備に定評のあった内野手。2年目の2008年に1軍で62試合に出場すると、チームにとって不可欠なバイプレーヤーに。2013年にはキャリアハイの114試合に出場したが、右肩痛で出遅れた2014年以降は出場機会が減少。今季は1軍出場なしに終わり、戦力外通告を受けて現役引退を決めた。

○脇谷亮太内野手(戦力外→現役引退)
 柳ヶ浦高、日本文理大、NTT西日本を経て2005年の大学生・社会人ドラフト5巡目で入団。俊足巧打の内野手として1年目から60試合に出場。2010年にはキャリア最多となる132試合に出場して、リーグ最多の8本の三塁打を放つなど活躍した。2013年オフに片岡治大の人的補償で西武に移籍。2015年オフにはFA権を行使して巨人に復帰した。今季は1軍出場なしに終わり、戦力外に。通算850試合2046打数521安打18本塁打159打点、打率.255。

○青山誠外野手(戦力外)
 育英高、日大を経て2013年の育成ドラフト1巡目で入団。4年目の昨季、支配下登録されたものの、1軍での出場はなし。5年目で戦力外となった。

○篠原慎平投手(戦力外)
 2014年の育成ドラフト1巡目で入団し、今季が4年目。3年目の昨季、イースタンリーグで9試合連続無失点と好投し支配下へ。4月19日のヤクルト戦でリリーフで登板し、公式戦初勝利をマークするなど23試合に登板した。今季も7試合に登板したが、不祥事もあってオフに戦力外に。通算30試合1勝1敗0セーブ0ホールド、防御率4.34。

○廖任磊投手(戦力外→西武)
 野球留学していた岡山・共生高から台湾・開南大へ進み、パイレーツ傘下を経て、2016年のドラフト7位で入団。201センチの長身から150キロを超える真っ直ぐを投げ込むが、1軍登板はなし。2年目で戦力外となり、トライアウトを経て西武へ入団した。

○河野元貴捕手(戦力外)
 九州国際大から2009年の育成ドラフト2巡目で巨人へ。3年目に支配下となると、2013年には11試合に出場した。今季も4試合に出場したが、不祥事などもあり、オフに戦力外となった。通算15試合17打数1安打1本塁打3打点、打率.059。

○中井大介内野手(戦力外→DeNA)
 宇治山田商高から2007年の高校生ドラフト3位で入団。2年目に18試合に出場すると、なかなかレギュラーには定着できなかったものの、勝負強い打撃でチームに貢献。昨季はキャリア最多となる90試合に出場し5本塁打を放ち、今季も70試合に出場したが、オフに戦力外に。トライアウトを受験し、DeNAへの入団が決まった。通算345試合661打数161安打11本塁打54打点、打率.244。

○辻東倫内野手(戦力外)
 菰野高から2012年のドラフト3位で入団。3年目に1軍デビューを飾り、2017年にはプロ初スタメンも果たして18試合に出場したが、今季は8試合の出場に終わった。通算43試合79打数15安打0本塁打1打点、打率.190。

○橋本到外野手(トレードで楽天へ)
 2008年のドラフト4位で仙台育英高から入団。今季が10年目だった。2年目に1軍デビューを飾ると、俊足巧打を武器に6年目にはキャリアハイの103試合に出場。守備力にも定評があり、その後も毎年70試合前後に出場した。今季は1軍出場なし。オフに金銭トレードで楽天への移籍が決まった。通算393試合946打数230安打9本塁打79打点、打率.243。

○上原浩治投手(自由契約)
 大体大から1998年のドラフト1位で逆指名で入団。今季がプロ20年目だった。入団1年目から最多勝となる20勝をマークし、新人王や沢村賞などのタイトルを総ナメにした。その後も巨人のエースとして5度の2桁勝利を達成。2007年にはクローザーとして32セーブをあげた。2009年にはFA権を行使してメジャーに挑戦。オリオールズ、レンジャーズ、レッドソックス、カブスを渡り歩き、9年間で436試合に登板した。今季から巨人に復帰し36試合に登板し、史上初の日米通算100勝100セーブ100ホールドを達成した。オフに左膝の手術を受けたため、自由契約となった。NPB通算312試合112勝67敗33セーブ23ホールド、防御率3.02。MLB通算436試合22勝26敗95セーブ81ホールド、防御率2.66。

○アルキメデス・カミネロ投手(自由契約)
 マリナーズから2017年に加入し、今季が来日2年目だった。1年目にクローザーとして29セーブをマークして残留。だが、今季は不振が続き、さらには右肘の違和感を訴えて8月に米国へ。手術を受け、オフに自由契約となった。NPB通算77試合4勝6敗40セーブ6ホールド、防御率3.18。

○ケーシー・マギー内野手(自由契約)
 2013年にヤンキースから楽天に加入し、日本一に貢献したマギー。その後メジャー復帰を果たし、2017年の巨人入団を機に再び来日。移籍1年目には48二塁打のセ・リーグ記録を樹立するなど打率.315と活躍。今季も132試合に出場して打率.285、21本塁打と活躍したが、オフに自由契約となった。NPB通算415試合1535打数457安打67本塁打254打点、打率.298。

與那原大剛投手(自由契約→育成再契約)
田中大輝投手(育成、戦力外)
松澤裕介外野手(育成、戦力外)
成瀬功亮投手(育成、戦力外)(Full-Count編集部)

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