めざせ横綱!一問一答で、一歩一歩レベルアップしていけるScratch学習ドリルー子どもに読ませたいプログラミング教育関連の本

子ども向けのプログラミング本の中から、実際に子どもに読ませたい本を親の立場から紹介します。第3回は「どすこい!おすもうプログラミング」です。

  • タイトル,どすこい!おすもうプログラミング
  • 著者,入江誠二
  • イラスト,くにともゆかり
  • 出版社,玄光社
  • 価格,1,944円

今回選んだ本「どすこい!おすもうプログラミング」

ドドーンと四股(しこ)を踏むおすもうさんのイラストに、「どすこい!おすもうプログラミング」というタイトル。一見、「おすもうゲームの本!?」という印象を受けますが、いえいえ、そうではありません(笑)。

この本は、プログラミング言語学習環境「Scratch(スクラッチ)」を使いながら、「プログラミングするとはどういうことか」「どうすれば動くのか」「自分が望む動作をさせるには、どのように指示を出せばいいのか」などを、実際に手を動かしながら学べるプログラミング学習本です。

では、どの辺が“おすもう”なのかというと……本の構成が“お相撲風”なのです。

たとえば、お相撲さんは、相撲部屋に入門してすぐに「横綱」になれるわけではありませんよね。入門後、毎日練習を重ね、技を磨き、一つひとつ勝ち星を積みあげていくことで「横綱」になることができます。

この本も、子どもたちが一問一答方式で問題を解きながら、まるでお相撲さんが昇進していくかのように、「入門」→「幕下」→「十両」→「幕内」…と進み、最後は「横綱」(ジャンプゲームづくりに挑戦します)を目指す!という構成になっています。

つまり、はじめてプログラミングを学ぶ子どもたちが、まるで“プログラミング部屋”(本の中の設定では“Scratch部屋)”に入門したかのような感覚で、修行を積み(問題を解き)、少しずつステップアップしていく達成感を味わいながら、プログラミングを学べる本なのです。

会話形式で読みやすい!でも、内容はどんどん難しく……

登場人物は、はじめてプログラミングを学ぶ「すもうくん」と、プログラミングを教える“Scratch部屋”の「親方」の二人。すもうくんが、親方から出される問いに答えながら、「横綱」を目指すという設定です。

本文は二人の会話形式で進んでいくため、教科書のような堅苦しい文章も、長文もありません。まったくはじめてプログラミングを学ぶ子どもでも、抵抗なく入り込んでいけるのではないでしょうか

しかし、見た目の柔らかさとは裏腹に、問題はどんどん難しくなっていきます……。

たとえば、「入門」の第一問目は、マウスを使ってブロックを移動させるのが課題です。「なーんだ、そんなレベル?」と思うかもしれませんが、いやいや、あなどるなかれ。「入門」で一通りScratchの基本と操作方法を学んだあと、早くも次の「幕下」で、キャラクターに鳴き声をつけたり、大きさを変えたり、X軸Y軸なんてワードも登場してきます。そしてさらに、「十両」「幕内」と徐々に高度になっていき、「三役」ではアルゴリズムを学び、「横綱」ではついにジャンプゲームをつくるところまで行きます。子どもだけではなく、サポートする側の大人も、じっくり考える時間が必要でしょう

一問一答で、自分のペースで進めることができる

ただ、この本のよいところは、一問一答形式で、一つの情報が簡潔にまとまっているところです。短いスパンで“区切り”がやってくるため、難しいと思ったら、ムリに何問も進まなくてOK。1日1問と割り切って、じっくり取り組んでみてもいいでしょう。夜寝る前に1問ずつ解くことを日課にしてみるのもいいかもしれませんね。難しいながらも、自分たちのペースで、少しずつステップアップしていける本と言えるでしょう

対象年齢は少し高め?

マウス操作からはじまって、最終的にゲームづくりまで進んでいくこちらの本。子どものやる気を引き出す構成にはなっていますが、いかんせん、内容がどんどん高度になっていきますから、お子さんの年齢や興味をよく見て与えないと、途中で投げ出してしまう可能性が高いような印象を受けました。

ご参考までに、我が家の年中さん(もうすぐ5歳児)は興味すら示さなかったので(笑)、少なくとも小学生以上。それも高学年くらいのほうが、親のサポートを受けつつも、自分で考えながら、自主的に進めていけるのではないでしょうか。

欲を言えば、すでにプログラミングに興味があったり、なんとなくつくってみたいものが頭の中にあったりするようなお子さんだと、一つひとつ知識が増えていく達成感を味わいながら、なおいっそう楽しく学べるような気がしました。

お子さんの年齢や興味関心と照らし合わせながら、判断してくださいね!

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