【MLB】マチャド&ハーパーではなく…ヤンキースは来オフFAアレナド獲りに動くべき!?

ロッキーズのノーラン・アレナド【写真:Getty Images】

今オフFAマチャド&ハーパー資金をアレナドに投入すべき「もしヤンキースが賢いなら」

 シーズン100勝を挙げ2年連続でポストシーズンに進出したものの、地区シリーズで宿敵・レッドソックスに屈したヤンキース。10年ぶりのワールドシリーズ制覇へ向け、今オフはマリナーズのエース左腕パクストンを交換トレードで獲得。ダイヤモンドバックスからFAとなっていた大型左腕パトリック・コービンの争奪戦には敗れたものの、10年ぶりのワールドシリーズ制覇へ向けて積極的な動きを見せている。

 そんな中でブライアン・キャッシュマンGMへ思い切った提言をしたのは米メディア「ブリーチャー・レポート」だ。「ヤンキースはスーパースター三塁手・アレナドのためにFA資金を取っておくべきだ」との見出しで、来オフにFAとなるロッキーズのノーラン・アレナド内野手のための獲得資金を残すべきとの記事を掲載した。アレナドは今季38本塁打で自身3度目の本塁打王に輝き、メジャー通算6年で通算975安打&186本塁打。守備でも安定したハンドリングと“鬼肩”でルーキーイヤーから6年連続でゴールドグラブ賞を受賞し、オールスターに4度選出されているメジャーを代表する大型三塁手だ。

 ヤンキースはマニー・マチャド内野手(ドジャースFA)、ブライス・ハーパー外野手(ナショナルズFA)の大物FA野手の獲得に動くかが注目されている。それでも、両選手共に総額4億ドル(約450億円)の超大型契約となる可能性もあり、記事では「ヤンキースに最も必要なのは投手」とまずJA・ハップ(ヤンキースFA)やネイサン・イオバルディ(レッドソックスFA)ら先発投手の補強に全力を注ぐべきと指摘した。

 さらに、オフに右肘靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた正遊撃手のディディ・グレゴリウスが早ければ6、7月に復帰する可能性もある。記事では「好敵手のレッドソックスの前に地区シリーズで敗退したため、ヤンキースは大枚を叩く衝動に駆られるのかもしれない」とした上で、「ロッキーズが彼に契約延長を迫らないとすれば、彼は来年引っ張りだことなることだろう。もしヤンキースが賢いなら、彼らはハーパーかマチャドにつぎ込む資金を残しておき、その代わりにアレナド獲得の為に費やすことになるだろう」と言及している。

アレナドにとってもヤンキースはフィット?

 アレナドにとってもヤンキース移籍はフィットしているかもしれない。これまでに本拠地クアーズ・フィールドでOPS.984を記録したのに対し、敵地ではOPS.787。高地で打球が飛ぶ“打者天国”として知られるデンバーで好結果を残してきたが、今季、チームがシーズン最多本塁打記録を更新したようにヤンキースタジアムは打者有利の球場。打撃力を最大限に活かすことができる。

 また、正三塁手にはエンゼルス大谷と新人王を争ったアンドゥハーがいるが、守備が課題。同メディアは「三塁から一塁への転向が、彼にとってもチームにとっても得策であろう」とアンドゥハーの一塁転向を勧めている。さらに、ジャッジ&スタントンと世代を代表する大砲と共闘する機会も得られると記事では言及している。

 これまでに米メディア「ジ・アスレチック」の敏腕記者、ケン・ローゼンタール記者も「アレナドの故障者リスト入りは、2014年に左指の怪我をした時の一度だけだ。マチャドは直近4シーズンでは同等の体の強さ(タフさ)を見せているが、彼はこれまでのキャリアで両ひざに手術を受けている。ハーパーはキャリア最高の159試合出場を昨年に果たしているが、彼の乱暴な振舞いは怪我につながりやすいのではと懸念する球団幹部もいる」とアレナドの好選手ぶりを特筆している。

 これまでにアレナドがポストシーズンを経験したのは17、18年だけ。17年はワイルドカード敗退、18年は地区シリーズで敗退しており、「いいかい、僕はここでプレーしながら毎年敗者になっている。僕にとっては勝利こそが一番大事なことなんだ。けど、年老いていくだけだね」とコメントしたこともある。

 今オフ目玉のマチャド、ハーパーに獲得資金を投入せず、来オフの目玉となるアレナドに投入するのか――。キャッシュマンGMには悩ましい日々となりそうだ。(Full-Count編集部)

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