3位と奮闘した日本ハムの戦力整理…5選手が戦力外、4選手が現役を引退

16年の現役生活に幕を下ろした日本ハム・矢野謙次【写真:石川加奈子】

助っ人ではアルシアとトンキンの退団が決定

 パ・リーグ3位でクライマックスシリーズに進出した2018年の日本ハム。大谷翔平投手や増井浩俊投手らチームを支えた主力が多くチームから抜けたことで下馬評は低かったが、中盤までは西武と首位の座を争うなど、それを跳ね返すほどの躍進を見せたシーズンでもあった。

 クライマックスシリーズではリーグ2位のソフトバンクに敗れたが、着実に若い力が成長していることを感じさせる1年となった。栗山英樹監督の続投も決定し、来季が8年目。2016年以来となるリーグ優勝、日本一を目指し、このオフにはオリックスを自由契約となった金子千尋投手を獲得。新助っ人としてジャスティン・ハンコック投手の加入が決まっている。ドラフトでは1位の吉田輝星投手をはじめ支配下で7選手を指名。球団史上初めて育成選手の指名もあった。

 その一方で支配下では新垣勇人投手や大累進内野手ら5選手が戦力外(森本龍弥は育成再契約)となり、アルシアとトンキンの2人の助っ人の退団が決定。石井裕也投手、矢野謙次外野手が現役を引退し、9人の戦力整理を行った。それでは今季で引退、戦力外となった選手たちの実績などを振り返ってみよう。

○石井裕也投手(現役引退)
 横浜商工高から三菱重工横浜を経て2004年ドラフト6位で中日に入団。先天性難聴というハンデを乗り越えてプロとなり、「サイレントK」の愛称とともに主に中継ぎとして活躍した。1年目の2005年に1軍デビューを果たし、4年目の2008年にはトレードで横浜へ移籍。2010年に再びトレードで日本ハムへ。2013年、2015年とキャリア最多の51試合に投げたが、今季は1試合の登板に終わった。通算330試合19勝19敗6セーブ83ホールド、防御率3.05。

○矢野謙次外野手(現役引退)
 国学院久我山高、国学院大を経て2002年のドラフト6位で巨人に入団し、今季で16年目。体格は大きくないものの、パンチ力があり、勝負強い打撃で、主に代打の切り札として活躍。2006年、2007年とキャリア最多の103試合に出場。2015年にトレードで日本ハムへ移籍。その後も代打として存在感を示した。通算759試合1428打数374安打29本塁打153打点、打率.262。

○高良一輝投手(戦力外)
 2016年のドラフト3位で入団し、今季でまだ2年目だった。興南高、九産大を経て加入したが、2年間で1軍登板はなかった。

○新垣勇人投手(戦力外)
 国士舘高、横浜商科大、東芝を経て、2012年のドラフト5位で入団。2016年には4試合に登板したものの、昨季、そして今季と1試合ずつの登板に終わり戦力外に。ただ、その明るいキャラクターでチームメートにも、ファンにも愛される存在だった。通算12試合1勝3敗0セーブ0ホールド、防御率7.96。

○大嶋匠捕手(戦力外→引退)
 2011年のドラフト7位で入団。早稲田大ソフトボール部出身という異色の経歴から大きな注目を集めた。2014年に1軍デビューを飾り、2016年には12試合に出場してプロ初安打も放った。今季はわずか2試合の出場に終わり、戦力外通告を受けて現役引退を決断した。通算15試合18打数3安打0本塁打1打点、打率.167。

○大累進内野手(戦力外→引退)
 駒大苫小牧高から道都大を経て、2012年のドラフト2位で巨人に入団。巨人では2013年の2試合の出場にとどまり、2016年にトレードで日本ハムへと移籍した。俊足を武器とし2016年には14試合に出場したが、これがキャリア最多。今季は1軍出場なしに終わり、戦力外となり引退した。通算29試合8打数0安打0本塁打0打点、打率.000。

○オズワルド・アルシア外野手(自由契約)
 ダイヤモンドバックス傘下から今季、日本ハムに加入。左の大砲として期待されたものの、89試合出場にとどまり、1年で退団が決まった。ブルワーズのオーランド・アルシアは弟。通算89試合284打数63安打14本塁打43打点、打率.222。

○マイケル・トンキン投手(自由契約)
 ツインズから今季、日本ハムに加入。開幕当初はセットアッパー、シーズン途中には一時期クローザーも務め、53試合で4勝4敗12セーブ20ホールド、防御率3.71の成績を残した。入団時には2年契約を結んでいたが、契約を1年残して自由契約になった。

○森本龍弥内野手(戦力外→育成)(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2