熊本城周辺「スポンジ化」 地震後目立つ空き地、駐車場

©株式会社熊本日日新聞社

空き地や駐車場をピンク色に塗った地図。右上から左下に向かって蛇行するのが白川。中央付近の上側が「新町・古町地区」。下流側はJR熊本駅東の二本木一帯

 熊本経済同友会常任幹事で、熊本城一帯のまち並みなどに詳しい西嶋公一さん(57)=熊本市中央区=が、熊本地震後の市中心市街地をこのほど目視で調査。空き地などが虫食い状態に広がる「スポンジ化」が急速に進んでいることが確認された。地震後、被災した家屋や建物が相次いで解体され、空き地になったり、平面駐車場になったりしている。

 調査は4~11月、熊本城の周辺一帯を西嶋さんが歩き、建物や土地の1軒1軒を目視で確認。空き地や駐車場となっている土地のほか、空き家と推測される建物を、2500分の1の地図にピンク色などでマーキングした。対象地区は(1)上通・並木坂周辺(2)下通周辺(3)新町・古町地区(4)横手・島崎(5)JR熊本駅東側-などに及ぶ。

 その結果、公園など公有地を除く全体のおおむね3割がピンク色などに彩色された。木造の町屋などの多かった新町・古町地区では、特に空き地や駐車場、空き家が目立った。以前から住民の高齢化や地域の空洞化が懸念されていたが、地震後に急速に進んだとみられている。

 熊本市は「スポンジ化」の観点から調査をしておらず、空き地や駐車場の割合は把握されていない。

 西嶋さんは「中心市街地の衰退が始まった。行政は実態を定量的に把握し、定期的に調査してほしい。産官学や地域挙げての対応が求められる」と話している。

 スポンジ化は、小さな穴を持ったスポンジのように都市の密度が低下する現象。サービス産業の生産性低下や行政の非効率化、地域コミュニティーの弱体化や治安悪化などの影響が指摘されている。(中原功一朗)

(2018年12月7日付 熊本日日新聞朝刊掲載)