大和合金、ポルトガルに営業拠点 航空機向けなど技術対応強化

 銅合金の鋳鍛造・押出品メーカーである大和合金(本社・東京都板橋区、社長・萩野源次郎氏)は2018年度内にポルトガルに営業拠点を設ける。同国北部のポルト市に支店を開設し、欧州域内に立地する航空機・核融合関連顧客への技術などサービス体制を強化。併せて同国金型メーカーなど新規顧客の開拓も進める。同社初の海外拠点。萩野社長は「将来的には現地法人化や在庫機能の追加を視野に入れている」と話している。

 同社は世界的な機体数増加で成長が見込まれる航空機関連市場を注力分野に位置付け、軸受けなどに使われる円筒形の鍛造・押出品を部材メーカーや整備会社などに供給。欧州はその主力市場の一つとなっている。大手顧客からの認定拡大などで販売は増加しており、現地拠点を開設することで「技術的な問い合わせや納期調整などにこれまで以上に迅速に応じられる体制になる」(萩野社長)。

 ポルトガルでの開設は航空機や核融合関連の顧客が立地するドイツやフランス、スペインなどへのアクセスに優れることから。また金型産業が盛んなポルトガル国内の需要にも期待しており、高強度で熱伝導率が高い独自材料NC合金の供給も目指したい考えだ。

 支店には母国語としてポルトガル語を話すブラジル国籍の社員が駐在。既存顧客のフォローや新規開拓を進めて2019年には欧州での売上高を倍増させる。支店開設はFS(事業化調査)などで中小企業基盤整備機構の海外ビジネス戦略推進支援事業を活用した。

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