福江商工会議所(清瀧誠司会頭)の創立70周年を記念して小泉純一郎元首相が5日、「日本の歩むべき道」と題して長崎県五島市池田町の福江文化会館で講演した。原発ゼロを目指す立場から日本のエネルギー政策を批判し、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電割合を高めるべきとの考えを強調した。
小泉氏は首相在任中は原発を推進したが、東京電力福島第1原発事故を契機に「脱原発」に転換した。「原発について『安全、コストが低い、CO2(二酸化炭素)を出さないクリーンエネルギー』という専門家の言葉を信じたが、全てうそだと分かった」と述べ、事故の賠償を含めて廃棄物処理や廃炉などに莫大(ばくだい)な費用とリスクが伴うと指摘した。
一方、五島市沖で計画が進んでいる洋上風力発電を含む再生可能エネルギーについて「政府が音頭を取れば、もう10年か20年かで、(福島の事故前に)原発が供給していた約30%の電力をまかなえるようになる」との見解を示した。講演会は市民ら約千人が聴講した。
脱原発へ再生エネ普及を 小泉元首相 五島で講演 1000人が聴講 福江商議所創立70周年
- Published
- 2018/12/07 11:00 (JST)
- Updated
- 2018/12/08 00:20 (JST)
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