鉄道用電車線金具・機器の電業、「小型トロリ線摩耗測定器」開発

 鉄道用電車線金具・機器メーカーの電業(本社・東大阪市、社長・浜谷和也氏)はこのほど、小型ハンディ型トロリ線摩耗測定器(製品名=U型トロリ線摩耗測定器)を開発した。

 7年前には次世代のハンディ型トロリ線摩耗測定器(製品名=デジトロメータ)を業界で初めて自社開発しており、今回はその小型版となる。

 税抜価格はU型トロリ線摩耗測定器が9万8千~10万8千円、デジトロメータが38万~48万円。U型トロリ線摩耗測定器およびデジトロメータは各2種類設定されている。

 電車線の摩耗状態監視では、電気検測車の測定データをもとに要注意箇所を確認するため、作業員がマイクロメータで手測定を行っている。「ただ、手測定では精度や時間が掛かり過ぎるなどの問題があった。そこでマイクロメータに代わる次世代型トロリ線摩耗測定器を開発した」(同社)。

 U型トロリ線摩耗測定器の特長は(1)小型で安価(2)防水対応(3)作業時間の短縮(4)作業員による測定誤差が少ない(5)摩耗が激しいイヤー下部が容易に測定可能なこと。

 また、デジトロメータの特長は、(1)容易に測定が可能(2)ポイント測定や連続測定のデータをUSBメモリに記録。パソコンで簡単にCSVデータとしてエクセルに取り込める。それを加工することで表やグラフ形式で表示、簡単に管理が出来るなど。

 電業は国内唯一の電車線金具の総合専門メーカー。創業は1919年(大正8)で、電車に電気を供給するための架線を支持する金具(電車線金具)の国産化を目的に設立された。

 特長は独立系で企画・設計・製作・販売を一貫して手掛け、全国規模で展開していることで、従業員は117人。

 本社工場(東大阪市)では鋳造(CAC702・アルミニウム青銅鋳物2種など)、機械加工、溶接、パイプ曲げなど各種加工を行うことで、可動ブラケット、テンションバランサ、曲線引金具、振止金具、スリーブなどを生産している。

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