いじめした娘への罰画像投稿、1800万回超視聴 米国の父親に賛否

By 太田清

学校への道を歩くカースティンちゃん。フェイスブックから

 米中西部オハイオ州で、父親が同級生らにいじめをした10歳の娘に対し罰として、学校までの8キロの道のりを歩かせ、その様子をユーチューブにアップしたところ5日間で1800万回以上視聴され、7万以上のコメントが寄せられる騒ぎとなった。コメントの多くが父親を賞賛する内容だが「やりすぎ」との批判も一部にあった。米ABCテレビなどが7日までに伝えた。 

 同州スワントンに住むマット・コックスさんで、娘のカースティンちゃんが今学期、2度目のいじめへの懲罰としてスクールバスの利用を停止されたことを受け、カースティンちゃんを気温2度の寒さの中、学校まで歩かせ、その様子を後ろの車からビデオ撮影した。

 ビデオには重そうな教材を背に田舎道をとぼとぼ歩くカースティンちゃんの様子が2分間にわたり収められている。マットさんは「いじめは受け入れられない。こうした行為をやめさせるための、ささやかな試みです」と罰に至った状況を説明。その上で「多くの両親がこうしたやり方に賛成しないだろうけど、娘に教訓を与えいじめをやめさせるため、正しいと思っていることをやっているだけです」と強調した。 

 ビデオには約12万8000の「いいね」、約5万4000の「超いいね」が付いたほか、約37万回シェアされた。多くのコメントが「自分の子どもがいじめをしても何もしない両親が多い中、素晴らしい行為です」など賞賛する一方で「SNSでさらして娘に恥をかかせるのは逆に娘へのいじめではないのか」と批判する声もあった。 

 マットさんは娘にビデオや、ビデオに付いたコメントも見せたという。カースティンちゃんは「私自身がいじめの被害に何回も遭ったこともある」と告白。父親の罰は教訓になったとして、もういじめはしないと語った。 

 英BBC放送(電子版)は、いじめの状況や原因などについてもっと知りたいとした上で「このような罰は短期的な効果しか持たず、いじめに結びつく学校内の文化を改善することにはつながらない」とする心理学の専門家の声を伝えた。(共同通信=太田清)

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