FIA F2戦ったマイニと牧野が語るスーパーフォーミュラ。「F2と違って続けてプッシュできるから首がきつい」

 2日間の日程で開催されたスーパーフォーミュラ鈴鹿テスト、新顔のドライバーであるアルジュン・マイニと牧野任祐がテストをふり返ってのインプレッション等を語った。今季はFIA F2に参戦していた両選手、マシンやタイヤの比較にも言及している。

 インド出身のマイニは、「幼少期はミハエル・シューマッハーに憧れた。そしてもちろん、ナレイン・カーティケヤンも応援したよ。彼は僕の国のモータースポーツの発展に大きく貢献しているドライバーだ」と話す20歳(12月10日で21歳)。UOMO SUNOCO TEAM LEMANSでのスーパーフォーミュラ初ドライブを終えての感想をこう語る(2日目のみ走行)。

「日本もスーパーフォーミュラも初めてだったけど、とても印象深いマシンだった。FIA F2と比べても速く、個人的にはいい印象を抱いたよ。とてもエンジョイできたいい一日だったし、天候変化を経験できたことも良かったと思う」

「FIA F2のピレリタイヤに比べると、スーパーフォーミュラ(のヨコハマタイヤ)は1周で一気にグリップが落ちることがないので、続けてプッシュしていける。そしてマシンからはダウンフォースの大きさと、軽さを感じることができた」

「クルマよりもまず鈴鹿のコースに慣れることが僕にとっては課題だったかもしれない。ここは最近のF1コースと違ってランオフエリアが広くないから、注意しないといけないところがたくさんあった。それとクルマに関していえば、やはり首がかなりきつかったので、冬のトレーニングをたくさんしないといけない、と感じたよ」

 2019年の参戦については「まだプランは決まっていないけど、スーパーフォーミュラに参戦できたら素晴らしいと思う」と語るマイニ。冬のトレーニングの重要性を語ったあたり、本人的には参戦を真剣に考えているようだ。カーティケヤンに続くインド出身スーパーフォーミュラ選手誕生なるか、期待したいところである。

2019年のスーパーフォーミュラ参戦を目指すアルジュン・マイニ

■「スーパーフォーミュラの完成度はやはり高い」と牧野

 一方の牧野任祐はTCS NAKAJIMA RACINGの65号車で2日間ともテストに参加。「スーパーフォーミュラには2年前のテストでホンダの開発車に乗って以来でしたが、スムーズで乗りやすかったですね。いろいろなメニューがあり、有意義なテストでした。ウエットも走れましたし、とてもいいテストでした」と、やはり満足そうにふり返る。

 2日目の午前にはS字でのクラッシュもあったが、「あれはタイヤのウォームアップの仕方をいろいろと試しているときでした。仕方なかったかな、と思います」と、自己分析がしっかりできているようだ。

「今回のテストを通じて、スーパーフォーミュラのクルマの完成度はやはり高いと感じました。トップスピード自体はFIA F2と変わらないですね。ただ、それまでのトルクが違いますから、FIA F2と比べると景色は速かったです。スタート練習もしましたけど、クラッチの操作もFIA F2よりやりやすいと感じました」

「FIA F2はピレリの特性的に、休憩できる(休憩しないといけない)ラップが入るんですけど、その点スーパーフォーミュラは(続けてプッシュできるので)しんどいですよね。特に鈴鹿ですから、首が辛い。ただ、FIA F2はパワステがないんですけど、その点、スーパーフォーミュラのハンドルは(比べると)軽いですよね」

 牧野は「来季のことはまだわからないですけど、いいテストができたと思います」と語る。そして「今日一番の問題? それはソフトバンクの電波障害でしょう」と話して記者団の笑いを誘うなど、欧州武者修行で精神的にも一層たくましくなった印象を与えている。

 来季スーパーフォーミュラにフル参戦となれば、やはり来季フル参戦が予想される福住仁嶺との舞台を移したホンダ若手対決がシーズンの大きな焦点になるだろう。

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