イヌワシの森、再び 宮城・南三陸の企業と東北森林管理局、繁殖地再生目指し連携

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 宮城県南三陸町で林業を営む「佐久」と東北森林管理局は7日、国天然記念物イヌワシの繁殖地再生を目指して連携すると発表した。同管理局によると、官民協同で森林計画を策定するのは全国初という。

 対象地域は、石巻、登米、南三陸3市町にまたがり、繁殖地として知られる翁倉(おきなぐら)山(531メートル)を中心に半径約10キロの範囲内にある同社管理の民有林約120ヘクタールと国有林約3000ヘクタール。作業用の林道や木材置き場を相互利用し、木材の共同出荷にも取り組む。

 イヌワシは羽を広げた長さが2メートル近くになり、餌狩り場となる空き地を山林内につくる必要がある。行動半径が広いため、両者は協力して計画的な伐採や植樹を進め、生息環境の改善と保全を図る。

 佐久は既に森林経営計画を策定。同管理局は来年3月末までに実施計画を作り、4月から協調して具体的な管理を始める。対象地域に林地を所有する南三陸町も今後、参画する意向だ。

 日本自然保護協会(東京)によると、同地域ではかつて4組のつがいが生息していたが、近年は1組しか確認されていない。

 宮城県庁で7日記者会見した佐久の佐藤太一専務は「自然環境と両立する林業を目指しながら、町の象徴のイヌワシを呼び戻したい」と話した。日本自然保護協会の担当者は「管理者が入り組む地域での連携には意義がある」と強調した。