【茨城県議会議員選12月9日投票】若者必読!投票する前に知っておきたい茨城県に関する10の数字

茨城県議会議員選挙が11月30日告示、12月9日投開票で争われています。
同県議選は、来年の統一地方選挙の前哨戦と位置づけられその結果に注目が集まっています。また、茨城県では18歳選挙権のもとで行われる初めての県議会議員選挙ということもあり、若者の動向が注目されています。

そこで、茨城県政において若者とかかわりのある10の数字をご紹介します。候補者の政策を読み解く際の参考資料として、ぜひご確認ください。

茨城県の人口は295万人 。毎年、4千人の若者が県外へ

茨城県の人口は約295万人(平成30年1月1日住民基本台帳人口)と前年から9千人ほどの減少となっています。
茨城県の人口は2000年頃に約299万人となったのを頂点として緩やかに減少をはじめ、近年はそのペースが早まり年間1万人ほどの人口減少が続いています。その中で、特に目立っているのが若者の県外への移動です。図表にもあるように、高校や大学の卒業を迎える年代で毎年4,000人程度の転出超過となっています。なお、国勢調査を基にした分析では、若者世代の県外への転出超過は少なくとも1980年代から続いていることも明らかになっています。

図表1_茨城県の年齢別人口の推移、年齢階級別純移動数

2020年には県民の3人に1人が高齢者となり3千人の介護人材が不足

少子高齢化の影響も今後ますますはっきりと表れてきます。
65歳以上の方は2005年には県民の5人に1人でしたが、2020年には3人に1人となり、2040年にはおよそ40%の県民が65歳以上の方になる見込みです。

高齢者人口の増加は、近い将来の介護需要の増加にも結びついていきます。
厚生労働省の調査によると、2016年度に茨城県内には3.5万人の介護職員の方がいましたが、2020年には4.2万人、2025年には4.8万人の介護職員の需要が見込まれています。

今後も介護職員の増員が進められる見込みですが、2020年に見込まれている職員数は3.9万人と3千人程度の不足が予想されています。

人口10万人当たりの医師数180.4人は全国で2番目に少ない

同様に高齢者人口の影響が色濃く出る分野に医療があります。
平成28年末に茨城県で勤務する医師の数は5,513名と全国で15番目に多い数となっています。けれども、人口10万人当たりの医師数で比較してみると茨城県180.4人は全国で2番目に少ない数となります。

また、子育てに目を向けてみると、茨城県の人口10万人当たりの小児科医数は78.7名となり、全国で最も少ない人数となっています。また、産婦人科・産科医についても人口10万人当たりで38.8人と全国で7番目に少ない人数となっています。

もちろん、お医者さんは他県よりも多ければ多いほどよいというものではありません。どのような医療環境が望ましいのかは県民一人ひとりの判断の上に決定されていくことです。納得のいく判断をしていくための基礎として、具体的な数値を確認ください。

386人(保育所)と343人(放課後児童クラブ)。茨城県の待機児童

少子高齢化の傾向が強まる一方で、茨城県の合計特殊出生率(平成29年度)は1.48と全国平均1.43を上回っています。地域の中で子どもたちが健やかに育まれ、活躍していくことが期待されますが、子育てに関する課題もあります。

茨城県の待機児童数は今年の4月1日時点で386人。前年度からは130人の減少となりましたが、近年は400人前後の待機児童がいる状態が続いていました。

図表2_待機児童数の推移

また、「小1の壁」が有名な放課後児童クラブの待機児童数は前年度(478人)よりも135人減って343人(2017年5月1日時点)となっています。前回県議会議員選挙のあった年である2014年5月1日時点の放課後児童クラブの待機児童数は183名でしたので、近年その需要が高まっていることがわかります。

なお、男女共同参画白書(平成29年版)によると、茨城県の25歳から44歳女性の就業率は2015年(70.2%)と2000年(60.4%)に比べて約10%高まっています。企業等で活躍する女性の増加に伴い、待機児童など子育て支援のための取り組みの重要性も高まっています。

有効求人倍率は1.50倍。正社員の有効求人倍率も0.97倍。

全国的にも「売り手市場」にあると言われている雇用環境ですが、茨城県でも人手不足が顕在化しています。

茨城県における有効求人倍率は平成26年度(1.08倍)から1倍を超える状況が続き、昨年度は1.50倍と全国平均1.54倍に近い状況となっています。分野では、医療福祉やサービス業の新規求人が多くなっています。
なお、正社員の有効求人倍率も上昇が続いており、0.97倍(平成29年度)となっています。

1人当たり県民所得は307.9万円

県民経済計算によると、茨城県の平成27年度の県内総生産(名目)は12兆9920億円、増加率は4.1%と、全国平均(3.1%)や関東平均(3.1%)を上回る成長率でした。

平成27年度の1人当たり県民所得307.9万円で、すべての都道府県の中で高い方から数えて10番目となっています。県民所得の増加率は年によってばらつきがあるものの、平成22年度からは6年続けてプラスになっています。

一方、茨城県内で生活保護を受給する世帯が近年増加しています。生活保護を受給する世帯の数は2006年には11,640世帯(2006年)でしたが、2016年には20,600世帯へと10年間で1.8倍に増加しています。2017年1月1日時点での世帯数は約120万世帯ですので、1.7%の世帯が生活保護を受給していることになります。
雇用環境が改善しているとされる中で、福祉を必要とする人たちが増加している背景にはどのような事情があり、政治はどのような対応をしようとしているのでしょうか。

農業産出額 全国2位

茨城県というと、都道府県の魅力度ランキングで最下位争い(出所:地域ブランドNEWS)の常連といったイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、経済活動に限っても様々な日本一やトップクラスのものがあります。

例えば、茨城県の農業産出額は4,903億円。北海道に次ぐ全国第2位となっています。また耕地面積の割合を比較すると全国1位となります。
ほかにも、茨城県には「まいわし」や「さば類」などのように漁獲量が日本一の水産物や、医療用計測器などの製造品出荷金額日本一の製品など、経済活動に関して様々な日本一があります。

茨城県の「他県に誇れる魅力」を各候補者がどのようにアピールしているでしょうか。

平成30年度予算は1兆1,117億円。県民一人あたりでは約39万円

茨城県の平成30年度当初予算は1兆1,117億円です。県民一人あたりにすると約39万円になります。
県民一人当たりの予算をベースに使い道を紹介していくと、最も多いのが教育の充実のための費用約10万円で、次いで医療福祉の充実に約7万円、借金の返済約5万円、道路整備・まちづくり約4万円となっています。

待機児童が発生しているのは県内44市町村中18市町村。地域ごとに異なる課題

県議会議員は、選出される地域の代表として県議会で茨城県の未来を議論し、決定していきます。ここまで紹介してきた情報も、地域に着目すると異なる姿をみつけることができます。

例えば、県内市町村の人口推移です。
2010年の人口を起点として考えたときに、2040年には約3割の自治体で人口が70%以下になると茨城県の報告書で指摘されています。人口減少率は県北地域や県南地域東部で高いものになると推計されていますが、つくば市や守谷市、東海村は人口が増加することが予想されています。

また、待機児童問題についても地域ごとの違いがあります。
今年4月の時点で待機児童が報告されたのは県内44市町村の内18市町村です。(昨年は9市町村) また、その人数もつくば市と牛久市でに集中しており、両市で県内待機児童の5割弱を占めています。

前回県議選の投票率55.83%

県議会議員選挙の有権者数は約244万人です。
茨城県を100人の村に置き換えてみると、村人の内83人が投票権を持っていることになります。前回県議会議員選挙の投票率は55.83%でしたので、今回も同じ投票率だと仮定すると県議会議員選挙で投票する村人は46人になります。

ちなみに、茨城県議選は32選挙区(定数62議席)で行われていますが、そのうち13選挙区18議席は無投票で当選者が決まり、残る19選挙区44議席を巡って74人の候補者が争っています。

なお、動向の注目される10代有権者の投票率ですが、昨年の県知事選挙における抽出調査では10代有権者の投票率は32.39%と20代前半(23.02%)や20代後半(24.52%)を上回っているものの、全年代平均43.32%を下回っていました。今回の県議会議員選挙ではどうなるでしょうか。

若い世代の方は今後、他のどの世代の方よりも長く茨城県とかかわりを持つことになります。統一地方選挙の前哨戦とも言われる茨城県議会議員選挙においてどのような選択がなされるのか注目されます。

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