若年性認知症 初の実態調査 県、悩み把握 支援強化

 県は、65歳未満で発症する若年性認知症の人について初めて実態調査に乗り出した。これまで推計データしかなかった発症者数や主な年齢層といった全体像を把握した上で、仕事や生活する中での支障を尋ね、支援の強化につなげる。調査結果は来年度以降の施策に反映していく考えだ。
 県は本年度、相談窓口を開設するなど若年性認知症の支援を強化しており、調査はその一環。
 厚生労働省の2009年調査によると、若年性認知症の人は県内に300~400人いると推計され、一般的に40~50代の男性に多いと考えられている。記憶力が低下し、仕事の約束を忘れるなど日常生活に支障を来しかねず、高齢の患者に比べて社会・家庭生活への影響が大きい。
 県は11月末、独自調査を実施した大村市を除く県内の千超の医療機関に調査票を送付し、受診患者の中に若年性認知症と感じる人が何人いたかを質問。その後、発症者か家族に協力してもらい、発症前後の生活の変化や就労の状況、生活の困り事などをアンケートし、若年性ならではの悩みを把握して支援策に生かしていく。
 県長寿社会課は「発症者やその家族を支えられるように対策に取り組んでいきたい」としている。

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