通学路ブロック塀2100カ所不適合 横浜市、場所非公表

 神奈川県横浜市は7日、大阪北部地震でブロック塀が倒れて女児が死亡したことを受けて行った、市立小学校の通学路にあるブロック塀の調査結果を公表した。現場で確認した5500カ所のうち2100カ所で、現行の建築基準法に適合していなかった。

 市建築局によると、技術職員らが7~10月、343校(特別支援学校などを含む)のうち、299校の通学路にあるブロック塀を調査した。

 その結果、法で定める高さ2・2メートルを超えていたのは計198カ所。一定間隔で控え壁を設置するよう定められている1・2メートル超~2・2メートルの高さがあった2671カ所のうち、1902カ所で控え壁が設置されていなかった。343校のうち44校は調査対象のブロック塀がないとして、現場確認は行っていない。

 市は所有者に対し、塀の撤去に関する補助制度を周知するなど、改善を促すとしている。

◆所在は公表せず民間敷地理由に

 横浜市は現行の建築基準法に適合しないブロック塀の総数は公表したものの、民間の敷地に建っていることを理由に、その所在を明らかにしなかった。市教育委員会は学校に伝えて登下校の安全指導につなげるとするが、保護者らへの周知方法については「検討中」と答えた。

 7日に開いた記者会見で、市建築局は民間所有であることを踏まえ、ブロック塀にポスターやステッカーなどを掲示して注意を喚起することもしない、との考えを示した。

 学校や保護者、児童への周知を問われた市教委は「学校には知らせる。児童の登下校の安全指導につなげる」と説明。ただ塀所有者の個人情報にも関わるとし、「(保護者らへの)伝え方は市教委で検討中。来年1月中に結論を出す」と述べるにとどめた。

横浜市役所

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