“マニア垂涎”初代ハイエースでお菓子を届け続けて…島民から愛される70歳女性の人間力【沖縄発】

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初代ハイエースでお菓子を届ける70歳女性
マニアにとっては、喉から手が出るほど欲しいという車・初代ハイエース。

この年季の入った車にお菓子をいっぱい積んで沖縄・伊江島を走り回っていたのが70歳になる知念フヂエさん。“お菓子の車”と呼ばれて島民から愛され続けてきたが、ともに45年間歩んできた愛車とお別れの時がやってきた…。

“お菓子の車”を運転する知念フヂエさん

ギアチェンジも手慣れた様子で愛車・初代ハイエースを運転する知念フヂエさん。

知念フヂエさん:
(オートマチック車も運転できる?)大丈夫。(どっちが運転しやすい?)別に一緒ですね、これも慣れているもんで。45年。

車は45年前の1973年に新車で購入したという。今の車と違ってハンドルは重く、フヂエさん以外は運転しようとしないのだとか。

島の人から“お菓子の車”と呼ばれ特別な存在に…
車に積まれているのは、あふれんばかりのお菓子。これを島内各地にあるマチヤグヮーと呼ばれる個人商店に卸すのがフヂエさんの仕事だ。島の人々にとってもこの車は特別な存在だという。

愛車に積まれているお菓子

伊江売店・知念裕介さん:
あの車が来たらお菓子がくるって子供の時から。誕生会とかやったり、この車が来たら何かがある、おいしいのがあるって言う、車を見たらそういう気持ちになる。

フヂエさんは、この“お菓子の車”とも呼ばれる愛車を走らせて家計を支え、4人の子供を育て上げた。

知念フヂエさん:
もうエンジンが上等だから。車が動くから。別に格好とか錆とかこんなものは何も気にしません。

事故もなく、色を塗りなおしたこともない。年季を重ねた姿には風格すら漂う。

車検を担ってきた島田勝彦さん:
もう車は幸せですよね。この年数ね。

30年以上修理に携わる島袋操さん:
自分は先生だと思っていますね。一生懸命、修理に対してこの車で勉強させていただきました。

これまでに受けた車検の回数はなんと44回。

車検を担ってきた島田勝彦さん:
ただもう足回り部品とかないものだから、中古の部品を探してきてどうのこうの…、修理にはちょっと苦労しましたけど。これは本人が大事に乗ったおかげですよ。それ以外なんでもないです。

あまりにレアな車とあって県外から見学に訪れる人もいるという。

知念フヂエさん:
何県かわからないけど、自動車課の高校生が4名で来ていたけど、「今はこれ(バックドアのアーム部分)がないから」と写真を撮っていきました。言われないとわからなかったけど。

バックドアのアーム部分を持つフヂエさん

時代の波も…「7月に辞めようとした」
一方、島に押し寄せた時代の波…。

少子化が進み、個人商店でお菓子を買う子供も少なくなった。さらに大きなスーパーやコンビニエンスストアもできて需要が下火に。
フヂエさんは引退も考えたというが…。

知念フヂエさん:
私も7月で辞めようとしたけど、80歳くらいのおばさんたちが「えー、少しはやって」って。そんな感じでありがたくて。私も70歳だから辞めようとしたんですけど。

西江上商店・知念厚子さん:
ずっと入れていただきたいと思います。(助かりますか?)はい、とっても助かっています。

伊江売店・知念裕介さん:
体力の続く限りやるとは言っているけど、体に気をつけてよんなーやってくれたらいいなと思います。

伊江島を駆け巡った愛車の修理もそろそろ限界に。
フヂエさんは足しげく島に通い、交流を深めてきた人に車を譲ることにしたという。

45年間共に歩んだ愛車とお別れ…
知念フヂエさん:
もうあっちがかわいがると思いますので、どうということはないです。とっても好きな方なので。これもね、伊江島の小さいお店があったから、私も今までできているので感謝しています。

11月10日、45年ぶりに海を渡り本島に向かうフヂエさんと愛車。そして、無事男性に愛車を届けることができてフヂエさんも一安心。

愛車を届けて一安心のフヂエさん

11月13日、伊江島でお菓子を届けるフヂエさん。車はかわったがフヂエさんはいつも通り、各地のマチヤグヮーにお菓子を届ける。

各地のマチヤグヮーにお菓子を届けるフヂエさん