ホンダ新型スーパーカブ『C125』の試乗インプレッション

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ホンダ(HONDA)のスーパーカブと言えば、働くバイクの代名詞。しかしスーパーカブの誕生60周年にあたる2018年にリリースされたスーパーカブC125は、ビジネス用途ではなく、上質な装備を纏ったパーソナルコミューターです。今回は試乗インプレッションから、質感や装備をチェックしていきましょう。

商業車じゃない! ラグジュアリーで美しいスーパーカブC125

ホンダ(HONDA)のスーパーカブは、2018年8月で誕生から60周年! シリーズの累計生産台数は1億200万台を超えるなど、話題に事欠きません。

そんなスーパーカブシリーズは初代から主にビジネス用途のバイクとして使われ、販売価格も良心的な印象でした。ホンダの原付二種カテゴリのラインナップを見ても、2009年に発売されたスーパーカブ110はディオ110に次いで2番目に価格が安いモデル。装備は決して豪華ではなく、どちらかと言うと堅牢なビジネスコミューターとして位置づけられています。

しかし、カブ誕生60周年のメモリアルイヤーにホンダがリリースしたスーパーカブC125は、ビジネス用途ではなく、パーソナルコミューターとして上質な装備を纏った1台です。初代モデルから続く「幅広い客層の扱いやすさ」はそのまま、最新技術を搭載した美しく気品のある佇まいにデザインされました。スーパーカブシリーズは街中の走りが得意なはずですが、実際に都内の通勤で試乗してインプレッションします。

スーパーカブC125の装備をチェック! 価格は?

普段使いを狙いパーツが見直されたエンジンまわり

ホンダ(HONDA)スーパーカブC125のエンジン

ビジネスユースとして人気を博した今までのカブシリーズとは異なり、普段使いを重視して開発されたスーパーカブC125。ベース部分はスーパーカブ110と共通としながらも、125ccエンジンの動力性能に対応し剛性を高めたパーツで構成され、所有感を満たす上質な装備を纏った仕様になっています。

エンジンは、恐らくホンダのモンキー125に採用されたエンジンをベースに専用セッティングとなっており、9.7PS/7500rpmを出力しています。

灯火類にはすべてLEDを採用

スーパーカブ110と違い灯火類は全てLED。写真はスーパーカブC125のフロントウインカー

灯火類は全てLED化されています。スーパーカブ110も丸目のヘッドライトはLED化されていますが、それに加えてテールやウインカーなども全てLEDが採用されました。

メンテナンス性や放熱性、制動力の安定に優れたディスクブレーキ

スーパーカブC125ではディスクブレーキが採用されました。

フロントブレーキはディスクブレーキ化されました。必ずしもディスクブレーキの方が制動力に優れている、というわけではありませんが、メンテナンス性や放熱性、制動力の安定感などに優れたディスクブレーキは、コストはかかるもののドラムブレーキの上位互換といっても過言ではない装備です。

機能にもデザインにも優れたアルミキャストホイール

アルミのホイールはバネ下重量の軽減にも繋がる上に、見た目も高級感がある。

スーパーカブ110はスポークホイールにチューブタイヤの組み合わせでしたが、スーパーカブC125はホイールが前後共にアルミのキャストホイールとなり、それに伴ってタイヤもチューブレスとなりました。

普段使いに便利なスマートキーを採用

スーパーカブC125のスマートキーは日常生活でも使い勝手が良い

鍵はなんとスマートキーを採用しています。ハンドル右下にメインスイッチノブが配置されており、スマートキーを身につけていればメインスイッチノブの操作が可能になりハンドルロックの解除やエンジンの始動が可能になります。

シート開閉にもスマートキーが必要

シート下にはサイドカバーを開閉するボタンが配置されている。

他のカブシリーズ同様、ガソリンタンクはシート下に納まっていますが、スーパーカブC125はシート開閉の際にスマートキーが必要となり、普段は施錠された状態となります。シート下にはサイドカバーの開閉ボタンもあり、内部には書類やマニュアルなどが収納可能となっています。

メーターには時刻など便利な表示が追加

スーパーカブC125は一般的なバイクとギアの操作が異なるので、シフトポジションが表示されるのはありがたい

メーターはデジタルとアナログの複合となっており、スーパーカブ110では表示されていなかったシフトポジションやトリップメーター、時刻などが表示されるようになりました。普段使いする際に便利な時刻が表示されるようになった点は、特に歓迎したいところです。

これだけ装備が追加されているスーパーカブC125ですが、スーパーカブ110との価格差は12万4200円(税込み)となっています。確かに装備は豪華になっていますし、メンテナンス性など日常的な使い勝手も向上していますが、ここまでスーパーカブ110との価格差があると、走りにもしっかりと違いを感じたいところです。

スーパーカブC125の2018年モデルカラーは?

ホンダ(HONDA)スーパーカブC125のフロントビュー

2018年モデルのカブは、パールニルタバブルーの1色のみのカラー展開です。色味は商業車両のカブシリーズでも使われていた紺色ですが、スーパーカブC125はさらにパールが入った上品な色で塗装されています。

レッグシールドやサイドカバーが水色になっている点も見逃せません。対して一般的なカブシリーズのレッグシールドは、樹脂の色そのままのクリームっぽい色味をしています。レッグシールドの面積は広いので、色味が異なるだけでかなり印象が違います。

スーパーカブC125の足つき性や燃費は?

日々の通勤で試乗し200km近く走行しましたが、燃費は実測値で60.3km/Lでした。スーパーカブC125はギア付きなので、オートマのスクータータイプに比べればかなり燃費は良いですが、燃料タンク容量はスーパーカブ110より少ない3.7L。計算上、連続航行距離は223.11kmとなります。

スーパーカブC125に筆者が乗って両足を地面につこうとすると、踵が若干浮きました。しかし軽量なので怖さは感じません。

シート高は780mm。柔らかいサスペンションでライダーが跨ると多少沈み込み、さらにシートが絞り込まれていて真っ直ぐに足をおろせるので、数値より足つき性はよく感じるでしょう。身長165cm体重65kgの筆者の場合、両足なら多少かかとが浮くぐらい、片足ならべったりと足がつく感じです。

スーパーカブ110に比べ、スーパーカブC125は車両重量が10kg以上重くなっていますが、それでも軽量に感じるので、女性でも足つきが不安に感じることはないでしょう。

軽快な走りは今までのカブにはない魅力

スーパーカブC125のマフラーは思っていたよりも迫力のある音量でした。

スマートキーをポケットに入れてスーパーカブC125のメインシフトノブをひねり、エンジンをかけてみると、思っていたよりも大きめの排気音を奏でました。マフラーのエキパイ部分には排気ガスを綺麗にするためのキャタライザーが入っており、パイプの径も根元とサイレンサー近くでは異なる、凝った作りとなっています。

ギアはスーパーカブシリーズ共通の自動遠心クラッチ&4速リターン式変速となっています。そのためクラッチレバーを握らなくても、つま先で踏み込むだけでシフトアップが可能。シフトダウン時はかかとでチェンジペダルを踏むシーソーペダルを採用しています。

早速ギアを1速入れて走り出してみると、予想以上に軽快に加速しました。元々カブは荷物を積んで走ることを前提にしているため、シリーズ共通で低中速重視のセッティングとなっています。しかしビジネスバイクのスーパーカブ110と比べても、スーパーカブC125は走り出しの加速がシャープになっており、排気量が大きい恩恵もしっかりと感じることができます。

しかも驚くことに、中速以降の加速も途切れません。スーパーカブ110だと60km/h以降の加速は緩やかになってしまいますが、スーパーカブC125は80km/hぐらいまでスルスルと加速し、最高速は100km/hを超えます。また一般公道では出せないスピードではありますが、80km/hで巡航していても安定感がありました。

ブレーキもスーパーカブ110のドラムブレーキと比べてしっかりしている印象。スーパーカブC125はメリハリのあるシャープな加速をするので、シフトチェンジをしっかりとして、エンジンブレーキをよく使いたいところです。

ハンドリングも軽快そのもの。とにかく全ての動きが非常に軽快なのですが、前後サスペンションは既存のカブシリーズ同様にフワフワとした乗り心地。加速、減速、旋回全てが軽快に走れるので、サスペンションはもう少し粘りがあれば良いのに! という印象でした。

スーパーカブC125は歴代カブの中でも最高の走行性能!

スーパーカブC125リアビュー

今までのスーパーカブはビジネスバイクという特性上、60km/h以上の加速は緩やかで80km/hで走行すれば剛性不足を感じました。その点スーパーカブC125はスルスルと安定して走行できます。もちろん公道では60km/h以上の速度で走行することはできませんが、パワーや剛性があれば走りにも余裕が生まれます。

LEDの灯火類やスマートキーシステムなどに注目されがちですが、スーパーカブC125の魅力は余裕のある走り。下道ツーリングでは余裕のあるパワーや剛性のおかげで楽しく走ることができそうです。

ちなみに先にリリースされたホンダのモンキー125に比べると、モンキーがどっしりとした安定感のある走りなのに対してスーパーカブC125は軽快さが最大の魅力といえるでしょう。実は39万9600円と同じ価格の2台。どちらも下道ツーリングにはピッタリですが、走りの質感はくっきりとわかれています。

スーパーカブC125をちょっとカスタムするなら

スーパーカブC125でのタンデムには必須のシート

スーパーカブC125はシングルシートですが、タンデムステップが装着されています。2人乗りすることが可能ですが、タンデムする際にはリアキャリアに直接座る形になるので、長時間のタンデムはお尻が痛くなってしまいます。

そこで追加で装着したいのが、タンデム用のシートです。クッション性があるので長時間のタンデムも可能にします。リアキャリアが使えなくなってしまうので、荷物が積載できなくなってしまう点はデメリット。タンデムシートを装着した際に使える、後付リアキャリアが欲しいところです。

スマホをマウントして快適に走行 

今やスマートフォンをバイクのハンドル周りにマウントするのが当たり前になっていますが、スーパーカブC125はパイプハンドルではないので、簡単には装着できません。スマートフォンをマウントするためのバーは装着しておきたいところ。スマホの他にもドリンクバーやUSBチャージャーなどもマウントすることができるので便利です。

(文:相京 雅行(バイクガイド))