岡山でハンセン病問題のシンポ

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 ハンセン病元患者の家族が受けてきた偏見や差別について考える岡山弁護士会主催のシンポジウムが8日、岡山市内で開かれた。元患者の家族2人が登壇し、国の誤った隔離政策によって過酷な境遇に置かれ続け、家族の絆すら引き裂かれた被害の実態を語った。

 母と姉2人が国立療養所・長島愛生園(瀬戸内市)に入所していた黄光男(ファングァンナム)さん(63)=兵庫県尼崎市=は、母らがハンセン病であることが知れ渡り、銭湯での入浴を一家で拒否されたことを紹介。幼少期に療養所へ入所した母と離れて暮らしていたこともあって、母が亡くなった際には涙すら出なかったといい、「当たり前の親子関係ができていなかったのでしょう」と振り返った。

 8歳の時に国立ハンセン病療養所・松丘保養園(青森県)に父が入所した原田信子さん(74)=岡山県内在住=は、次第に近所や親戚とのつき合いがなくなり、同級生からいじめに遭うようになったと説明。「父は悪くないと分かっていても、嫌なことがあると父を責めるしかなかった」と話した。

 家族被害を巡っては、国の隔離政策で深刻な差別を受けたとして、元患者の家族が国家賠償を求めて熊本地裁で係争中。シンポジウムは岡山弁護士会ハンセン病被害者サポートセンターの設立15周年を記念して開かれた。