「人手不足補える」「生活支援対応急ぐ」 改正入管法成立で中国地方自治体

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 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法などが8日未明、参院本会議で可決、成立した。中国地方5県には1月1日現在、日系人や技能実習生たち10万1335人の外国人が住む。外国人の多い市町村の首長たちからは、人手不足などを補えるとして一定に評価する声が出る一方、生活支援で負担が増えるとして国のサポートを求める声が相次いだ。

 東広島市は、総務省まとめの住民基本台帳に基づく人口で外国人の割合が3・50%と、5県の全市区町村で最も高い。広島大の留学生や技能実習生が多いという。高垣広徳市長は「人手不足に悩む企業を支えるという面で、意味のある法案だ」と、一定に評価した。

 一方で、日本語のフォローや医療、防災など、生活支援では多くの課題があると認める。「市単独で生活支援を担うのは大変。子どもが学校に入れば教育面のサポートも必要になる」。国に対して、通訳や教員の人員確保などの環境整備で後押しを促す。

 2番目に高い3・17%の江田島市は「外国人が医療機関を受診する場合、通訳はボランティアに頼らざるを得ない。通訳を用意するのは医療機関なのか、自治体なのか、国による何らかの制度設計が必要だ」と訴える。広島市は「自治体が日本語教育や多言語化を充実させるための財源を手当てしてほしい」と求める。

 町村で最も高い2・55%の広島県海田町は、日系ブラジル人やベトナム人技能実習生が多いという。「外国人が地域で暮らすための対応策が後手に回らないようにしたい」と気を引き締める。出雲市は「医療や教育などで、これまで以上に外国人への対応が重要になる」。広島県北広島町は「外国語を話せる人を招くなど、相談窓口の充実が必要になる」と見通す。

 三原市は「災害時の避難情報を外国人にどう伝えるか、検討する必要がある」とみる。福山市は「定住者と比べて技能実習生や留学生たちは入れ替わりが激しく、実態把握が難しい」として、企業や日本語学校との連携強化を図るとした。

 外国人と住民との間でトラブルが増えるとの懸念も増す。島根県吉賀町の岩本一巳町長は「今でも外国人がごみ出しなどの地域のルールを理解できず、住民が困っているケースは多い」と明かす。安芸高田市は、ごみの分別や自転車の無灯火運転などで市民からクレームが来たこともあるとして「きちんと日本での生活ルールを説明することで解決していく」と見据えた。