北陸出身の受験生に加点 金沢医科大AO入試

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 文部科学省から2018年度入試に不適切な点があったと指摘を受けた金沢医科大は8日、北陸三県の高校出身者や同窓生の子女は卒業後に北陸に残りやすいというデータを重視し、加点していたと明らかにした。500点満点の特別推薦入試(AO入試)では、石川県の高校出身者は5点、富山・福井県は3点、同窓生の子女は10点を上乗せしていた。石川県内灘町の同大で会見した神田享(つぎ)勉(やす)学長は、自らの指示だったと陳謝した。

 AO入試の募集人員は27人で、今年4月に27人(現役6人、浪人21人)が合格した。北陸出身者、同窓生の子女のほか、「現役・1浪」の受験生に5点を加えていた。募集要項に明記せず、受験生に左右できない項目を盛り込んだことが問題視された。

 加点した理由について、神田学長は「本学の使命である地域医療のために、卒業後も残ってくれる人を募集した」と説明した。現役・1浪に対する加点は「若い人の方が卒業後に医療に携わる期間が長くなると考えた」と釈明した。

 金沢医科大によると、卒業後2年間の初期研修を同大病院や同大氷見市民病院で受けた学生は、北陸出身者が44%に対し、北陸三県外の出身者は22%と半分にとどまる。同窓生の子女は34%で、子女でない学生の25%を上回る。医学生は初期研修を受けた後、引き続きその地域に残りやすいとされる。

 出願者数と加点を受けた合格者の人数は、石川は13人中3人、富山は8人中2人、福井は3人中1人。同窓生の子女は60人中15人、現役・1浪は205人中14人だった。最大で20点を加点された学生が1人いた。

 神田学長と岩淵邦芳副学長によると、同窓生の子女かどうかは推薦書の記載で判断していた。不利益を被った受験生は7人か8人で、確定はしていない。

 文科省からは18年度の編入学試験の書類審査と、一般入試の補欠合格者の決定についても指摘を受けた。

 編入学試験は定員5人。学力テストや小論文、面接、書類で審査し、420点満点だった。北陸の高校出身者に5点を上乗せし、19~25歳はプラス10点、26歳は加点減点なし、27歳からは年齢が1歳増えるごとに1点ずつ減点していた。この影響で不利益を受けたのは1人だった。14年度から続いていた可能性がある。

 一般入試では補欠合格者に電話連絡する際、年齢の若い受験者を優先した。不利益を受けた学生は調査中で定まっていない。

 不利益を被った学生については希望を聞いた上で、19年度からの入学を認める。入学する人数を19年度入試の前期の定員65人から差し引き、全体の定員を調整する方針である。

 県内の進学塾関係者によると、近年は富大や金大などの医学部と併願する受験生が目立ち、県内から金沢医科大へ進学する受験生も多いという。県内の進学塾の担当者は「夢に向かって頑張ってきた受験生の可能性を摘むようなことはあってはならない。今後、公平性が保てない仕組みは改善してほしい」と語気を強めた。