子守る輪 職種超え 教員、福祉士ら 虐待、非行の対応学ぶ

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 県内児童相談所の児童福祉司や小学校の養護教諭らが勤務後に勉強会を開き、異なる立場の視点を学び、それぞれの職場で生かす取り組みを続けている。メンバーに共通するのは「支援者1人だけでは、虐待や非行に苦しむ子も親も誰も救えない。横につながり、日常的な支え手を増やさなければ」との思いだ。勉強会の名称は「沖縄の子どもと家族・支援者の未来を明るくする会(OCFS)」。県中央児童相談所で児童福祉司を務める森田修平さん(33)と、児童自立支援施設「若夏学院」の児童自立支援員知花誠也さん(31)ら5人が中心となって昨年5月発足した。 代表の森田さんは「孤立や困窮を深め、SOSを出せない親子が多い。だが、支援者も1人では何もできない。異なる専門職同士がつながり、多方面から支えることが重要」と語る。

 勉強会は2カ月ごとに、仕事を終えて参加できるよう夜に開く。現場で役立ててもらうため、講義形式は避けている。車座になって議論しあう日もあれば、参加者で支援事例を一から考え、ロールプレイで解決法を探ることもある。

 非行経験のある少女が講師として招かれた会もあった。「(大人には)自分の行動や服装だけ見ずに、本当は寂しいことに気付いてほしかった」と、少女が当時抱えていた気持ちを知った参加者は「外から見える表情やしぐさに惑わされ、シャッターを下ろしていたのは自分だった」と気付いた。「面接が事務的、画一的になっていた」と自らの支援のあり方を振り返った。

 開催から1年半、回を重ねるごとに、保育士、児童福祉施設職員、教育関係者、行政職員に企業の社員、学生と参加者の幅も広がった。活動に賛同した大学や中学校、児童館、企業も無償で会場を提供するようになった。今年5月、県中央児相宮古分室の児童福祉司仲田二滝(にたき)さん(28)が宮古支部を立ち上げるなど、離島にも活動が広がっている。

 森田さんは「大きな理想かもしれないが、虐待や非行で苦しむ子も親もなくしたい。勉強会はたとえ参加者が1人でも開催する」と語る。森田さんたちは「子も親も支援者も笑顔になれる沖縄」を目指し、奮闘を続けていく。 (新垣梨沙)