高校調査書、浪人生不利に 福大医学部不適切入試 副学長「入学抑制、意図ない」

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福岡大は8日の記者会見で、医学部入試での浪人生の配点を現役生より低く設定していたことを明らかにし「不適切だった」と陳謝した。しかし「現役を優遇する意図はなかった」とも繰り返し主張し、分かりにくい説明に終始。不合格になった元受験生からは「努力を踏みにじられた」と怒りの声が上がった。

福大が配点に差を設けたのは、高校時代の成績が記載された調査書への評価。「卒業から時間がたてば調査書の有効性が低くなる」と福大独自の判断で、1浪は10点、2浪以上は20点低く配点していた。

黒瀬秀樹副学長は記者会見で「結果的に現役生を優遇することになった」とは認めたものの、「医学教育のことを考えながら(入試での)評価方法を考えてきたという自負はある。多浪生(複数年、浪人を重ねた人)の入学を抑制するという考えは一切なかった」と強調した。

朔(さく)啓二郎医学部長も、現役生と浪人生を「同様にみている」と語り、「福大は浪人生に人気があり、多くの多浪生が入ってきている」とまで述べた。

しかし、浪人生にとって不利な配点だったのは事実。黒瀬氏は「社会的な目が欠けていた」、朔氏も公平性に関する意識が「希薄だった」と反省の言葉を口にした。

福大は今年8月と10月、西日本新聞が2度にわたり、浪人生に対する点数操作の有無を質問したところ、いずれも「過去を含め、行っていない」と回答。このように答えた理由として、黒瀬氏は会見で「点数を動かして調整したわけではないため」と説明した。

福大は本紙の8月の質問に対し、東京医科大の不正入試は「事実であれば、大学としてあってはならないことと考えます」とも回答していた。

=2018/12/09付 西日本新聞朝刊=