推し本の魅力を語り尽くす 川崎でビブリオバトル交流

 お薦めの本の魅力を語り合い、読みたくなった本を選ぶ「ビブリオバトル」が8日、川崎市中原区の中原図書館で開かれ、約40人の参加者が未知の本と人との出会いを楽しんだ。市内で読書の普及に取り組む一般社団法人「ビブリオポルトス」(小松雄也代表理事)の主催。

 初の参加者も多く、まずは経験者ら3人が「絵本」をテーマにデモンストレーションのバトルを行った。

 「竜のはなし」(宮沢賢治著、戸田幸四郎絵)、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(ティム・バートン作・絵)、「おおきな木」(シェル・シルヴァスタイン作・絵)の3冊を5分間ずつ紹介。「ハッピーエンドですか?」といった会場からの質問に、それぞれが推す本の魅力を懸命に伝え、多数決により明治大大学院生の小林直弘さん(26)が薦める「竜のはなし」が「チャンプ本」に決まった。

 その後、観戦者もミニバトルに参戦。4~5人で輪になり、好きな本について語り合った。「初対面の人でも本を介せばすぐに打ち解けることができます」と小松代表理事。初めは緊張気味だった参加者の表情も緩み、和やかな笑顔があちこちで生まれた。

 初参加した法政二高1年生の東千花さんは「カラスの教科書」(松原始著)を推し、「チャンプ本」に選ばれた。「大人の方々を前に緊張したけれど、優しく聞いてくれ、助け舟も出してくれたので、うれしかった」と話した。

「チャンプ本」に選ばれた感想を話すビブリオバトルの参加者=中原図書館

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