<おのくん>高額で転売、偽物出回る 「趣旨に反する」作り手苦慮

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4体1万500円の値段が付けられたり、まねて作った「おのくんもどき」(下段の中央と右)が出品されたりしているフリーマーケットアプリの画像

 東日本大震災後、宮城県東松島市のプレハブ仮設住宅で作り始めた手縫いの靴下人形「おのくん」が、転売されたり偽物が出回ったりして作り手が対応に苦慮している。定価1000円の商品がインターネット通販などで数千~1万円で販売されるケースが頻発。プロジェクト共同代表の新城隼さん(47)は「おのくんを通じた交流を大切にする趣旨にも反しており、やめてほしい」と訴える。

 フリーマーケットアプリで「おのくん」を検索すると、新品や中古品がずらりと並ぶ。2体6000円の出品者は「可愛(かわい)いのでぜひどうぞ」と宣伝。「注文して半年待った正規品です」と堂々と転売する書き込みや、「福島 復興支援」との間違った表記もある。

 おのくんは被災した女性の内職として現在も作られている。新城さんは「作り手のお母さんたちの思いや人とのつながりがないがしろにされ、金もうけに利用されている」と指摘する。

 新城さんによると、仙台市などのイベントで、別の人が作ったとみられる靴下人形をおのくんとして販売する事例もあった。本物を買いに来た人からは「1体5000円で売っていた」と聞いたという。

 おのくんは2012年4月に誕生。小野駅前仮設住宅の集会所で米国発祥の靴下人形「ソックモンキー」を作り始めたのがきっかけで、名称は仮設住宅の名前にちなんだ。ボランティアらに口コミで広まり、東松島市の拠点施設の来訪を「里帰り」と呼ぶなど、ファン同士で交流を深めている。

 14年に商標登録された。ソックモンキーを作るのは自由だが、おのくんを名乗って無断販売することは禁じられる。

 新城さんは「本物は○の中に『お』の字が入ったタグが付き、販売価格は1000円と決めている。偽物には気を付けてほしい」と呼び掛ける。