<ベガルタ>今度こそ「希望の光」になる 初の日本一へイレブン決意

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最終調整に励む選手を見守る渡辺監督(左から2人目)

 今度こそ「希望の光」になる。東日本大震災に遭った仙台の選手たちが当時、固く誓い合った決意を結果で表す好機が来た。初の日本一をつかみ、被災地に歓喜を届ける。イレブンはその一心で、初めて臨む決勝の舞台に向かった。

 厳しい情報統制に並々ならぬ思いが表れた。準決勝に続き、試合の2日前から練習を非公開。渡辺監督は「隠せるものは隠したい」と細心の注意を払って選手を調整に集中させた。

 日本一へ2度目の挑戦となる。震災翌年の2012年のJ1。指揮を執った手倉森誠監督(当時)=青森県五戸町出身=の「被災地の希望の光になろう」の言葉に奮い立って広島と優勝争いを演じたが、最後に力尽きて2位で終わった。

 当時を知る梁勇基は「『よくやった』という雰囲気があったと思う」。だからこそ、今回は「優勝をしっかり取りたい。それで喜んでくれる人もいる」と被災者に思いをはせる。

 震災当時からの在籍選手は減ったが、8年近くたった今でも思いは変わらない。チームは震災後、新シーズン始動の初日に被災地を訪問している。今季は大きな被害が出た仙台市若林区荒浜地区で献花し、震災遺構の旧荒浜小校舎を見学。犠牲者の追悼と再生の決意を心に刻んだ。

 椎橋は「被災者の応援は心強い。タイトルを取れば元気づけられると思う」ときっぱり。中野も「元気をもらっている方々に恩返ししたい」と意気込む。

 優勝すれば、ユニホームのエンブレムの上に星のマークを付けることができる。「(タイトル獲得が)光り輝く希望の星になる」と渡辺監督。被災地のクラブとして使命を果たす時が来た。(原口靖志)