「40河川」集中洪水対策 19年春まで工事完了、堆積土砂除去

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 7月の西日本豪雨を受けた洪水対策として、県は今冬、豪雨によって氾濫の危険がある県内の河川を対象に川の水が流れる道筋「河道」に堆積した土砂を除去する掘削工事に着手する。河道にたまった土砂の影響で水位が急激に上昇し、堤防が決壊する現象が指摘されており、河道の掘削は梅雨や台風などの被害防止に向けたハード対策の柱となる。

 県は渇水期に集中的に工事を進め、来春までに郡山市の谷田川など県管理で緊急性の高い40河川、47カ所で工事を完了させる。

 西日本豪雨では岡山県倉敷市真備町で増水した二つの河川の合流部で流れが悪くなり、支流側が逆流する「バックウオーター現象」が発生。堤防決壊の原因になったことから、県は県内の河川でも合流部や堰(せき)が整備されている箇所に重点を置いて土砂を取り除く。

 県はこれまで毎年1億円程度を計上し、住民らの要望を受けた箇所を優先的に掘削してきた。ただ、近年の異常気象を背景に、県が西日本豪雨後に実施した目視による点検の結果、県内の71河川、91カ所で対策が必要となっていることが判明。緊急性の高い箇所については9月補正予算に4億8000万円を盛り込み、本年度の関連予算は当初予算を含め9億4000万円と過去最大規模となった。

 バックウオーター現象は県内で過去に発生した洪水でも確認されている。1986(昭和61)年8月の集中豪雨では郡山市で阿武隈川の支流の谷田川と逢瀬川の堤防が決壊。市内で2人が犠牲となり、最大避難者数が1199人に上るなど甚大な被害が出た。当時も災害復旧と洪水対策が行われたが、約30年を経て河道に再び土砂がたまってきており、県は緊急の対策が不可欠と判断した。

 県は来年度の早い時期から残りの河川でも掘削工事を進める方針で「本来は定期的に対処すべきところだったが、これまでは予算が限られていた。今回の集中的な工事で危険箇所を全て解消したい」(河川整備課)としている。