猛暑で餌不足?多治見でイノシシ出没急増

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 有害鳥獣が人里に出没する問題で、東濃地域では比較的被害が少なかった岐阜県多治見市でも、このところ捕獲される野生のイノシシの数が急増している。一昨年度までは1年間で160~180頭程度だったが、昨年度は225頭に増加。本年度は11月末時点で300頭を突破した。豚(とん)コレラが美濃加茂市でも確認されこれまで以上にイノシシの動きに関心が集まる中、市担当者は「畑を荒らされる被害が増えてきたが、具体的な対策はあまりない」と頭を悩ませる。

 これまでは市境付近の中山間地に出没することが多かったが、最近は市街地を除く市内全域で捕獲されるようになった。市農業委員会によると、有害鳥獣駆除目的のイノシシの捕獲は市猟友会の捕獲隊に依頼している。市内約70カ所に箱わなを設置し、5人の男性隊員が週2日、イノシシが捕まっていないか巡回する。1頭駆除するごとに市から同会に報償費8千円が支払われる。

 市は本年度当初、年間250頭の駆除を想定していたが、捕獲数の増加を受けて12月議会に250頭分の報償費200万円を追加する一般会計補正予算案を提出した。

 同会の伊藤暢男会長(71)によると、夏場には1日に10頭を捕獲した日があったといい、「イノシシの数自体は以前と変わっていないはず。猛暑の影響で餌が不足して山を下りてくるようになったのだろう」と推察。「22歳の時に猟友会に入会したが、これだけの数のイノシシが捕まることは今までにない」と話す。隊員は50~70代の中高齢者が占め、人数も少ないため捕獲規模を拡大することは難しい。

 人への被害はないものの、収穫直前のスイカやトウモロコシなどの食害が深刻化しつつある。市は田畑の周りに電気柵を整備したり、町内会を通じて市民に注意を呼び掛けたりしているが、効果はいまひとつ。知恵を出し合って有効な対策を考える必要がある。

箱わなに掛かったイノシシ=多治見市諏訪町、名古屋市愛岐処分場