食後に眠くて…ブドウ糖負荷試験で“隠れ糖尿病”を見破る

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血糖値スパイクで食後に眠くなる人は…(C)日刊ゲンダイ

血糖値が下がると、気分が悪くなりますね。体の変化に何となく気づくものですが、さらに下がると、意識がなくなり、死に至ることすらあるので大変です。

ですが、血糖値が2倍になっても、元気は2倍にはなりません。平たく表現すると、高血糖の血液は、砂糖漬けのようにドロドロ。全身的に酵素の活性が下がり、細胞や神経の活性が下がってしまうのです。

江原幸恵さん(仮名・50)は、早朝空腹時血糖値が98㎎/dl(正常値=99以下)、HbA1cが5.3(正常値=5・5以下)でした。どちらも正常ですから、評価は「A評価:正常」。

本人もほっと一安心ですが、血糖値の検査結果はもう少し踏み込んでチェックする必要があります。実は、採血時の瞬間的な血糖状態を示す空腹時血糖値が正常でも、糖尿病になりやすい人が隠れている可能性があるのです。

その典型が、「血糖値スパイク」と呼ばれる状態の人。血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急上昇し、その後で急降下するような状態を指します。そうなると、症状としては食後に眠気や頭痛に襲われやすい。血糖値スパイクを放置すると、やがて2型糖尿病に進行しやすいことが分かっているのです。

糖尿病は、動脈硬化を悪化させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを上昇させるほか、認知症やがんも引き起こしやすくする厄介な生活習慣病。過去2カ月の平均的な血糖状態を示すHbA1cが正常で、空腹時血糖値が正常なら「糖尿病はまず大丈夫だろう」と過信しがちですが、血糖値スパイクのリスクを見逃してはいけません。

そのリスクを見つけるための検査が、「75グラム経口ブドウ糖負荷試験」です。まず空腹のまま採血したら、ブドウ糖75グラムを溶かした水を飲み、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ採血して血糖値を測ります。

負荷2時間後の血糖値が140㎎/dlなら正常ですが、1時間値が180㎎/dl以上だと、それ未満の人よりも糖尿病になりやすいことが知られています。食後の眠気が気になる人は、一度ブドウ糖負荷試験を受けてみるといいでしょう。

※正常値は、日本人間ドック学会の数値に準拠

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)