広島湾岸に大型産業用地整備へ

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広島県と三菱重工業が連携して産業用地を整備する方針を固めた広島製作所江波工場(手前中央)=11月29日(撮影・井上貴博)

 広島県と三菱重工業(東京)が連携し、広島湾沿いに大規模な産業用地を整備する方針を固めたことが8日、分かった。同社が広島製作所江波工場(広島市中区)の遊休地の一部を県に寄付し、県は国の補助金などを活用して道路や岸壁を整備する形を想定。港を備えて海上輸送に向く立地をアピールし、2023年度以降に県が6ヘクタール、同社が19ヘクタールを売り出す計画でいる。

 複数の関係者が明らかにした。県内では、東日本大震災後に企業が生産拠点を分散する動きや、回復基調とされる景気を踏まえて、分譲中の公的な産業団地が少なくなっている。新たな用地を確保したい県と、遊休地の活用策を探る同社の思惑が一致した。自治体が民間から土地を譲り受けて産業用地を設けるのは、全国でも珍しいとみられる。

 計画案によると、江波工場の敷地のうち、南端の海沿いの部分を中心に広島県が6ヘクタール、三菱重工業が19ヘクタールの分譲用地を確保する。同社は県が分譲する6ヘクタールに加えて、道路や公共岸壁を整備するための土地として3・6ヘクタールを県に寄付する。

 県は国の補助金などを活用し、一体を産業用地として販売するために必要な道路を軸とするインフラを整える。南東には長さ200メートルの新たな公共岸壁を整備し、進出した企業に原材料の運び込みや製品の運び出しなどで利用してもらう。南西にも将来、別の公共岸壁を設ける構想もある。

 県は、江波工場一帯で道路や公共岸壁を整備すると盛り込んだ「広島港港湾計画」改訂案を、19年1月の県広島港地方港湾審議会に諮る考え。承認を得られれば、同月中にも同社と基本協定を締結。19年度に測量や基本設計に着手し、23年度以降に産業用地としての分譲開始を目指すと思い描く。

 県は同社との連携で、企業からの引き合いが根強い広島都市圏で、新たな産業用地を確保できる。公共岸壁を周辺の企業にも使ってもらい、事業活動を後押しする効果も見込む。同社は土地を寄付する代わりに、道路や岸壁などを県に整備してもらえる利点がある。