被団協・九州講習会 被爆体験の伝承 使命 田中代表委員が強調 長崎

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の九州ブロック被爆者相談事業講習会が8日、長崎市内で始まった。九州、沖縄の被団協系組織から約160人が参加。被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(86)は講演で「被爆者が生きている限り被団協の名前を使い、支援を受けながら、核兵器廃絶と国家補償を求める」と話した。
 長崎で被爆した田中氏は、被爆者援護運動など被団協の歴史を紹介。被爆者の高齢化を踏まえ「被爆者と一緒に何かをしたいという人たちはたくさんいる。支えてもらい、被爆者の体験を伝えることがこれからの重要な使命」と強調した。
 日赤長崎原爆病院の朝長万左男名誉院長(75)も講演。核廃絶に向け、核兵器禁止条約と核拡散防止条約(NPT)を「包括的に運用することで新しい方向が示される」と語った。
 講習会は、被団協の中央相談所委員会が各県持ち回りで毎年開催。最終日の9日は被爆者相談活動に関する講義などがある。

被爆者らを前に講演する田中代表委員=長崎市新地町、長崎ワシントンホテル

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